医療者が警告、新型コロナ情報に触れる際に忘れてはいけないこと

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新型コロナウイルスから自分と家族の身を守るために重要となってくるのが、正確な情報を得ること。しかし流れてくる情報は玉石混淆状態と言っても過言ではなく、どれを取り入れるべきなのか迷ってしまうのも事実です。そんな時我々は、何を指針とすればいいのでしょうか。今回の無料メルマガ『人間をとことん考える(人間論)』では著者でかつて薬剤師としての勤務経験もある小原一将さんが、医療者の視点で見た「正確な情報の受け取り方」を記しています。

落ち着いて、この事態を冷静に対処しよう

社会が見たこともない状況になってきた。コロナウイルスは収束する兆しどころか、ますます拡がりを見せている。

私は一応医療者であり、周りに専門家がいるのでかなり冷静に物事が見られているとは思う。だからこそ、ウイルスではなくこの異常な状況が気になる。今回はメルマガの主旨とは少し逸れるかもしれないが、私の考えを述べていければと思っている。

コロナウイルスで日本や世界が滅亡するかの如く報道されている。連日増え続ける感染者数に不安な気持ちになる。確かに致死率は疾患がある方や高齢者の方は高い傾向があるので気を付ける必要があるのだが、それで地球や人類が滅ぶとは思わない。

これだけの事態になる前からマスクが飛ぶように売れて、食糧の買い溜めなどが起こっていた。はっきり言って私はコロナより人間のパニックの方が怖い。

大物芸能人が、コロナが原因で亡くなったことはとても悲しい出来事であり、私も子どもの頃によく見ていた人なのでショックだった。しかし、それとコロナが危険であるかは別のものだ。

有名芸能人の命を奪ったから危険なウイルスであるというのは、あまりにも論理が飛躍している。

情報は無数に氾濫して、いつも私たちを惑わそうとしてくる。絶対に忘れてはいけないのが、メディアから発せられる情報は誰かの手が加わっているものだということ。それが正しいと思って受け取るのはもちろんダメだが、無意識に情報として取り入れるのもおすすめしない。

ファクトフルネスという本にも書いてあるが、メディアはなるべく聴衆の注目を集めるためにセンセーショナルなものしか発信しない。「今日は10人の患者が元気に退院しました」という報道よりも「今日も1人の患者が感染しました」の方が注目を集めやすい。

情報を取るのであれば、公的機関や専門家の意見をまず参考にしてもらいたい。

このように書くと、専門家も間違うことがあるだろうと反論される。その答えとしては、当然専門家も間違うことがあると言わざるを得ない。

とはいえ、一般の方よりは圧倒的に多くの知識を持ち、そこから導き出された考えや答えを持っている。

薬剤師として働いているときによく言われたのが、近所の◯◯さんが言っていたとか、職場の人が言っていたという情報だ。なぜ医療の専門でもない一般の人間の情報を、目の前の医療者よりも大事にするのだろうと思っていた。

今でもこの答えは出ていないのだが、メディアが陰謀論や秘密を見つけたとか言ったような煽り方をするのが原因の一つではないかと思っている。

大きな迷惑でしかない。

私も陰謀論や都市伝説はとても好きだが、それと情報の正確性は全く違う。少なくとも一般的な情報源に本当に秘密にしておきたいことが載ることはない。もし載っていたとしたら、もうそれは秘密にしなくて良いものである。

このメルマガを読んでいただいている方の数はメディアに触れる数に比べればとても少ないのだが、今私ができることとしてここに書くことが良いと判断して書かせていただいた。

まずは落ち着くこと、そして正確な場所から情報を受け取り、自分の身と家族を守ために最善の行動をとってもらいたい。

もし何かお困りのことがあれば、私も医療者として分かる範囲でお答えすることもできる。

私は会社を経営していて、家族もいる。同じような境遇の人も多いだろう。皆で協力しながら、この事態を乗り越えていきたい。

image by: StreetVJ / Shutterstock.com

小原一将この著者の記事一覧

■医師を目指して二浪したが実力不足のために薬学部へ。しかし、薬学には全く魅力を感じられなかった。哲学や心理学などの本を読み漁り、サークル活動やフリーペーパー作成など大学生活を薬学以外に費やした。 ■薬剤師資格を持たないまま卒業し、臨床心理士を養成する大学院へ進学。しかし、臨床心理学の現状に落胆。 ■薬学の勉強をし直して薬剤師資格を取得。薬局に勤務し今に至る。 人間とは何を考え、どのように行動するべきなのかを大学生活の4年間で考え抜いた。友情や恋愛、道徳や倫理などジャンルにとらわれないものを提供する。

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【著者】 小原一将 【発行周期】 毎月1,11,21,日

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