外国の話ではない。医者ですら命を落とす新型コロナ大流行の現実

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今なお収束の見通しが立たず、全世界で多くの人命を奪い続けている新型コロナウイルスによる感染症。日本においても状況は同様であり、医療関係者が亡くなるという事態も起きています。さまざまなメディアで活躍中の嶌信彦さんは今回、自身の無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』に、友人である医師が新型コロナウイルスにより命を落とした「衝撃」を綴っています。

新型コロナウイルス感染症で友人逝去の衝撃 6月短観もさらに衝撃

3月17日朝、親しかった医者のA氏が突然亡くなったという知らせがあった。A氏は私たちの友人であり、病気のことなどを私だけでなく家族も頼りにして相談していた人物だっただけにショックが大きかった。私より2歳上の79歳だった。

いつものように朝の食事を終えて出かけようとしたところ、家の中で倒れてしまったのだという。驚いて家族が救急車を呼んだが、救急車が到着したときには既に亡くなっていたようだ。血流が脳にまわりにくくなり脳梗塞が発生したことが原因だったが、コロナウイルスによる肺炎が引き金だったらしい。

コロナウイルスは持病を持った年配者が危険といわれているが、A氏は若い頃から喘息の持病があり、私たちと会食する時などはよく酸素吸入器を持参したり、勝手の知った注射などを自ら打っていた。いつも体の調子にも気を付けていたのに、コロナウイルスが日本中に蔓延していたため、罹患してしまったようだ。

A氏は食事にもいつも気を配られていたし、私たちと会う時はいつも元気で、ゴルフも200ヤード位飛ばし80~90台前半でまわる腕前だった。何より博学多識で医療のことだけでなく、歴史や文化、戦史、人間心理、生物のことなど、その知識の広さにはいつも驚くばかりだった。それだけにファンも多く、A氏との会食はいつも楽しいひと時でもあっただけに、突然の逝去の報にはただただ呆然とするばかりだった。

それにしてもコロナウイルスとその大流行(パンデミック)の恐ろしさを改めて身に沁みたこの2~3ヵ月だった。致死率は2~3%でインフルエンザより低いといわれ、何となく日本では軽く見がちだったように思われていたのではなかろうか。

しかし世界をみると、4月8日18時現在(米、ジョンズ・ホプキンス大学)で1位のアメリカの感染者数は39万9,929人、死者1万2,911人に上り、2位以下スペイン14万1,942人(死者1万4,045人)、3位イタリア13万5,586人(死者1万7,127人)、4位フランス11万70人(死者1万343人)、5位ドイツ10万7,663人(死者2,016人)、以下、中国、イラン、イギリス、トルコ、スイスが上位10ヵ国で、いずれも感染者が約8万3,000人から2万2,000人。死者も6,000人台から700人台までとなっている。

世界全体での感染者は143万2,577人、死者は8万2,195人に達している。米ホワイトハウスは、行動自粛措置を維持した場合でも、死者は10~24万人に及ぶ可能性があるとしたが、7日アダムス米公衆衛生局長は、ニューヨーク州などの安定化の兆しにより予想を下回る可能性があると述べた。

日本では8日正午のNHKの情報によると国内感染者はチャーター機の帰国者を含め4,490人、クルーズ船の乗客・乗員が712人と合わせると5,202人になった。また、亡くなられた方は国内で感染した人が98人、クルーズ船の乗船者が11人の合わせて109人。一方、症状が改善して退院された方は国内感染者で622人、クルーズ船の乗客・乗員620人を合わせ1,242人となっている。また、本日、東京では1日に確認された人数として最も多い144人の新たな感染が確認された。

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