新型コロナの猛威に対し、富裕層は新たな避難場所の確保を進めている。全米の地下要塞都市・地下シェルターへの問い合わせが急増中で、成約件数もうなぎ上りだ。(浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』浜田和幸)
※本記事は有料メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』2020年4月10日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。
コロナで「リメンバー、パール・ハーバー?」
ぶっちゃけ、アメリカでは再び「リメンバー、パール・ハーバー」が話題となっている。
何かと言えば、このところの新型コロナウィルスの大流行が「宣戦布告なき戦争」と見なされ、その連想で「日本による真珠湾攻撃」に例えられているというわけだ。
確かに、連日、1000人を超える死者が発生するアメリカでは、得体の知れない病原菌に恐れる心理も分からないわけではないが、それを真珠湾奇襲に例えるアメリカのメディアの報道ぶりは如何なものか。
逆に言えば、それだけアメリカ人の深層心理に日本脅威論が根深く残っているということかも知れない。
中国脅威論も台頭
とはいえ、最近では中国脅威論の方がかまびすしい限りであることは論を待たない。
現在進行中の「COVID-19」の感染拡大に関しても、「中国によるアメリカ攻撃の前哨戦」といった見方がホワイトハウスにも保守系の団体の間でも広がりつつある。
ためにする議論であろうが、アメリカの富裕層の間では「さもありなん。感染症も恐ろしいが、中国による核ミサイル攻撃やアメリカ西海岸への上陸作戦も要注意」といった危機感も出始めた。
富裕層が奔走する「新たな避難場所の確保」
その結果、いわゆる金持ち層の間では「新たな避難場所の確保」が緊急の課題になってきた。
実は、アメリカでは旧ソ連との冷戦時代に、核攻撃から身を守るために各地で地下シェルターが建設された。
その後、ソ連崩壊によって無用の長物となったようだが、感染症対策の安全地帯として再生されるようになっていた。
地下シェルターといってもNBC(核、生物、化学兵器)対策が施され、空気清浄や有害物質の除去機能が売り物になっている。
全米各地に350か所以上の「地下要塞都市」があり、プールや映画館も備わっている。
当然、1年間の食糧や水も確保されており、家庭菜園も完備しているため、新鮮な野菜や果物にも不自由しない。
個別の住居には台所もトイレも通信機能も用意され、広さによるが、値段は4万ドルから100万ドルまでと様々だ。
現代版「ノアの箱舟」とも呼ばれる「サバイバル・コンド」である。
Next: ビル・ゲイツ氏「ワクチンや特効薬が完成するの早くて年末か年明け――