プロ野球、史上初の球宴中止 開幕目標は6月中旬以降

2020.05.11
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by 時事通信

昨年の球宴で、試合前に整列する全セの選手たち=2019年7月12日、東京ドーム

昨年の球宴で、試合前に整列する全セの選手たち=2019年7月12日、東京ドーム

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が延期されているプロ野球で、7月19日に福岡ペイペイドーム、同20日にナゴヤドームで予定されていたオールスターゲームの中止が11日に決まった。1951年から開催されてきた球宴の中止は史上初めて。今年で開催70年目の節目を迎える予定だった。
 日本野球機構(NPB)は11日に12球団代表者会議を開き、その後のウェブ会見で斉藤惇コミッショナーは開幕の遅れにより、球宴に出場する「選手を選択できるかという問題があった」と述べた。球宴はセ、パの2リーグ制となった翌年から始まり、昨年まで対戦成績はパ・リーグの85勝79敗11分け。
 若手対象に松山で7月13日に予定されていたフレッシュオールスターゲーム(坊っちゃんスタジアム)も中止となる。
 11日はNPBとサッカーJリーグが合同で設立した「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第7回会合がウェブ上で開かれ、感染症の専門家チームから「緊急事態宣言が延長された状況で、(公式戦)開催の日程を具体的に決めることは難しい」との見解が示された。
 これを受け、12球団は開幕日の設定はしなかったものの、斉藤コミッショナーは「6月の半ばから下旬にかけて開幕を目指すことで一致した」と述べた。開幕しても、当面は無観客として行われる見込み。次回の新型コロナ対策連絡会議と12球団代表者会議は22日に開催される予定。 

 ◇プロ野球オールスター
 セ・リーグ選抜とパ・リーグ選抜の対戦で、両リーグを代表する選手たちの競演は「夢の祭典」といわれる。1951年に始まり、毎年夏に開催。出場選手はファン投票、監督推薦などで選出される。96年第2戦でイチロー(当時オリックス)が投手を務めるなど、公式戦では見られない場面も多く、野球ファンの人気も高い。最多出場は今年2月に死去した野村克也氏の21度。期間中には本塁打競争も実施される。
 昨年の対戦は1勝1敗。対戦成績はパ・リーグの85勝79敗11分け。今年で70年目の節目の開催となる予定だった。

 ◇新型コロナウイルス感染でのプロ野球界の動き
2・26 残りのオープン戦を無観客試合で行うことを決定
3・ 2 サッカーJリーグと合同で「新型コロナウイルス対策連絡会議」設立を発表
   3 第1回対策連絡会議開催。予防策などを協議
   9 第2回対策連絡会議開催


ウェブ会見で今年のオールスターゲームの中止を発表したプロ野球の斉藤惇コミッショナー=11日(ZOOMより)

ウェブ会見で今年のオールスターゲームの中止を発表したプロ野球の斉藤惇コミッショナー=11日(ZOOMより)

     12球団代表者会議で3月20日の公式戦開幕延期を決定
  12 第3回対策連絡会議開催
     12球団代表者会議で開幕は4月10日以降で一致
  20 当初の開幕日
  23 第4回対策連絡会議開催
     12球団代表者会議で4月24日開幕を目標に設定
  27 阪神が藤浪晋太郎投手ら3選手の感染を公表
  31 パ・リーグの球団社長会議で開幕再延期で一致
4・ 3 第5回対策連絡会議開催
     12球団代表者会議で4月24日開幕の当面延期を決定
  17 12球団代表者会議でセ・パ交流戦の中止を決定
  23 第6回対策連絡会議開催
     12球団代表者会議で、開幕した場合でも当面は無観客試合とする方向で一致
5・11 第7回対策連絡会議開催
     12球団代表者会議、実行委員会などを開催し、オールスターゲーム(7月19、20日)の中止を決定(2020/05/11-22:43)

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