なぜ麻生氏は未曾有の事態に解散総選挙をしようとしているのか?

2020.07.03
by tututu
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永田町が騒がしい。ポスト安倍に名を連ねる政治家たちの動きが活発化。連立を組む公明党は早期の解散については慎重だが、自民党の実力者たちは次々と会談を行っている。そんな中、この秋の解散を声高に叫んでいるのが、麻生太郎副総理兼財務相だ。

麻生氏がこだわる秋の解散

30日付の朝日新聞によると、公明党の斉藤鉄夫幹事長と会談した麻生氏は、「選挙の時期について意見を交わし、麻生氏が今秋の解散が望ましいとの考えを伝えた一方で、斉藤氏は早期解散に慎重姿勢を示した」と伝えている。

6月に入り、安倍首相と麻生副総理が2人で会談を行う回数が増え、おそらくそこで麻生氏から「この秋の解散」の進言がされているのだろう。

東京都では新型コロナウイルスの感染者が1日で107人に達するなど、収束の気配すら見えない中、なぜ麻生氏は秋の解散にこだわるのか。そこには麻生氏の苦い経験が垣間見れる。

麻生総理が経験した苦い経験とは?

ご存知の通り麻生氏は、第92代内閣総理大臣として、2008年9月24日から2009年9月16日まで、第1次麻生政権を率いた。

当時、自民党内で圧倒的な人気を誇っていた麻生氏は「選挙の顔」として期待されていた。前任の福田康夫元首相は支持率が低く、選挙を戦えない。そのため、麻生氏は解散、総選挙を行うことを前提に首相になったとも言われていた。

総理就任後、ほどなくして解散しようと試みた麻生氏だったが、当時はリーマンショックの真っ只中。世界を襲った経済危機は日本も例外ではなく、周囲からの反対もあったことから、麻生氏は解散を断念。結局、任期満了近くまで総理の座につき、そこから解散総選挙に打って出た。

しかし、結果は惨敗。自民党は記録的な大敗を喫し、政権を民主党(当時)に明け渡すことになった。麻生氏にはこのトラウマがあり、だらだらと長く政権を維持するよりは、野党の足並みもそろっていないこの秋なら選挙に勝てると見込んでいるのだ。来年まで引き延ばして、追い込まれ解散になるようなことは避けたいというのが本音だろう。

麻生氏は自身が総理大臣であった当時のリーマンショックと、現在の新型コロナウイルスの現状を重ね合わせている。だからこそ、麻生氏はこの秋の解散を声高に叫んでいるのだ。

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