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テスラ時価総額でトヨタ超えは本当に過大評価か? 自動車業界の主役交代へ

ついにトヨタが時価総額で米テスラに抜かれ、自動車メーカー首位の座を明け渡すことになった。テスラの株価はこの1年で約5倍に上昇、7月1日の米国市場取引時間中には一時1,135.33ドルを付け、上場来高値を更新した。

TESLA INC<TSLA> 週足(SBI証券提供)

TESLA INC<TSLA> 週足(SBI証券提供)

トヨタ自動車<7203> 週足(SBI証券提供)

トヨタ自動車<7203> 週足(SBI証券提供)

朝日新聞は、「テスラの時価総額は1日、約2070億ドル(約22兆2400億円)に上り、トヨタの1日終値ベースでの時価総額(21兆7185億円)を上回った」「米欧メディアは『テスラのトヨタ超え』を速報で大きく報じており、自動車業界の構造の変化を印象づけるものだ」と報じている。

米国通信社のBloombergは「テスラ、時価総額でトヨタ上回る-世界最大の自動車メーカーに」という見出しで報じ、「130年余りにわたって内燃機関に依存してきた自動車業界を、電気自動車(EV)で一変させようというテスラの試みを、市場が強く支持していることが浮き彫りになった」と伝えている。

日本を代表する企業トヨタの首位転落をどう見るか。時価総額という明確な数字で示されたことで、日本企業の競争力低下、日本経済全体の後退路線を否が応でも実感させられる。またガソリン車の時代がまもなく終わり、電気自動車と自動運転の時代が来ることを予感させるニュースとも言えるだろう。

テスラが創業したのは2003年7月のこと。わずか17年でガソリン車でもハイブリッド車でもなく電気自動車を製造するメーカーがもっとも価値のある企業に成長すると予想できた人はほとんどいないのではないだろうか。ネットでは、「テスラ株はまだまだ安い」「株価水準は将来性を見越しても過熱そのものだが、車はすごいと思う」「日本の凋落はもはや決定的」「トヨタはずっと停滞したまま」との声も聞かれた。

ただ、生産台数の面ではまだまだトヨタが圧倒的だ。東京新聞は「テスラの2020年第1四半期における自動車生産台数は10万3000台で、トヨタの240万台には遠く及ばない」と報じている。

現状のテスラの株価を過熱気味と見る声も多く、企業としての実力通りに時価総額トップを奪ったと判断するにはまだ早いかもしれない。トヨタはコロナ禍で株価を大きく下げており、今は回復途中とも言える。次世代移動サービス「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)ほか先を見据えた戦略を次々と打っており、再逆転も可能だろう。日本人としては、コロナ禍からのV字回復で再び自動車企業のトップに立ち、今後の自動車産業も牽引していくことに期待したい。

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Source:朝日新聞, Bloomberg, 東京新聞
image by:Vitaliy Karimov / Shutterstock.com

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