データセンター「脱炭素化」 環境省―在宅勤務で通信・電力量増受け

2020.07.05
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by 時事通信


 環境省は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で在宅勤務やウェブ会議が普及し、関連するデータ通信量と消費電力が増えていることを踏まえ、温室効果ガスを排出しない「脱炭素化」したデータセンターの整備を推進する。太陽光など再生可能エネルギーの活用に加え、最新の省エネ技術により消費電力を抑える。2021年度予算概算要求に技術開発などの関連経費を盛り込む方針だ。
 次世代通信規格「5G」の導入などでデータ通信量が増え、IT関連の消費電力は30年には16年の36倍に膨れ上がる見込み。これは現在の国内総電力消費の1.5倍に相当する。新型コロナの影響で在宅勤務やウェブ会議、ネット通販などの普及が加速し、通信量と消費電力の増大はさらに拍車が掛かっている。
 環境省は通信量の爆発的増加に伴い、データセンターの設置数も大幅に伸びるとみて、施設の脱炭素化に取り組む。広大な敷地が必要な太陽光発電など再エネの活用だけでは、温室ガスゼロの達成は難しいことから、窒化ガリウム半導体といった省エネ技術も採り入れる。
 窒化ガリウムは、青色発光ダイオード(LED)の材料として使われ、無駄な発熱と消費電力を抑制できるのが特徴。データセンターに電気を送る変換器に関連部品を導入するため、技術開発を進める。
 また、再エネ発電設備とデータセンターをつなぐ専用線を整備し、直流で給電して省エネ化。通常の送電網では電力は交流で送られ、データセンターで使う前に直流に変換するが、この際に生じるロスを防ぐ。
 将来的に、データセンターから排出される温室ガスを窒化ガリウムの技術で1割、直流給電で2割、再エネと蓄電池で7割削減し、脱炭素化するイメージを描く。実現には5年程度かかると予測している。(2020/07/05-07:07)

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