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犬猫も人間も救いたい。コロナで「ペット共生グループホーム」参画者が急増したワケ

人生100年時代。寿命は延び、物質的にも満たされている現代ですが、心に障がいを抱える人は増え続けています。その心の傷を、犬や猫などの動物が癒してくれるということが最近の研究で科学的にも明らかになってきました。一方、その犬や猫たちは飼い主の怠慢で殺処分されるケースが後を絶ちません。

コロナ禍に見舞われている今、「障がい者福祉」と「ペットの殺処分」という2つの問題を同時に解決する画期的なグループホームが注目を集めていると言います。その理由について、社会問題の解決に全力で挑むアニスピホールディングス代表取締役・藤田英明さんにお話を伺いました。

障がい者も犬猫も同時に助ける!ペット共生グループホームの魅力

障がい者グループホームの需要が高まっている

近年、自閉症やADHDなどの発達障がいを抱える方の存在が世間に広く認知されるようになりました。障がい者雇用枠などで健常者と一緒に企業で働きながら、活き活きと社会生活を営む人も増えています。

しかし、それはほんの一部に過ぎません。多くは家族のサポートを受けながら生活していたり、長期入院を余儀なくされている方もいます。家族と本人が自立を望んでも、実現はなかなか難しいのが現状です。

そこで、障がい者の自立支援に繋げようと設立されたのが「障がい者グループホーム」です。これは障がい者総合支援法に基づき、都道府県知事より事業所指定を受けて障がい福祉サービスの提供をする施設のこと。健常者からのサポートを受けながら障がい者同士で共同生活を営むもので、年々その需要が高まっています。

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さらに、ここに「ペット」という存在をプラスし、好循環を生み出すことを目的として誕生したのがアニスピホールディングスの「わおん(ペット共生型障がい者グループホーム)」です。

「わおん」は犬と一緒に生活できるグループホームですが、「にゃおん」という猫と一緒に暮らせる施設もあり、他の動物を飼うこともできると言います。

動物も一緒にグループホームで生活できる!

障がい者の中には、癒しを目的としてペットを飼っていたり、動物好きの方が多くいるようです。しかし、従来型の障がい者施設では衛生上の観点から、ペットは一緒に入居することができませんでした。

それを「わおん」が可能にしたことにより、「自立はしたいけどペットと離れたくない……」という入居希望者のニーズに応えられるようになりました。

「わおん」は、動物フレンドリーな社会の空気の醸成や動物介護療法、動物を介した人間関係の構築やコミュニティの形成、殺処分される動物の保護にも力を入れています。

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障がい者が安心して暮らせる居場所づくり、一般企業への就職を手厚く支援するなど、障がい者福祉と動物保護を同時に達成できる社会貢献度の非常に高い事業と言えるでしょう。

アニスピホールディングスが直接運営している施設もありますが、収益性が高いことから参画者がアニスピの支援を受けて運営している施設も年々増えているそうです。

アニスピホールディングスでは「わおん」のほかに、福祉システムの開発と販売や、空き家の仲介と売買。ペットのホームケアや障がい者福祉人材サービスなども展開していて、まさに福祉の何でも屋さんと言えるでしょう。

今回はアニスピホールディングスの藤田英明代表にインタビューを行い、障がい者福祉を取り巻く課題やペット共生グループホームならではのほっこりする話などなど、ざっくばらんに語っていただきました。

ただの動物好きから始まった? きっかけは問題解決への熱い想い

プロフィール:藤田 英明(ふじた ひであき)
1975年生まれ、東京出身。株式会社アニスピホールディングス代表取締役。明治学院大学社会学部卒業(専攻:精神障害者福祉と生活保護制度)。介護福祉業界に革新をもたらし、日本で初めて介護保険と保険外サービスを組み合わせた「混合介護」を事業化。世界でもっとも多くのデイサービスセンター(約900施設)を開設した。

——早速ですが、質問させてください。わおんは「犬や猫の殺処分問題」と「障がい者への福祉」を同時に解決する画期的なグループホームだと感じました。そこで、どうやってこの仕組みを思いついたのか。その経緯や苦労話などがあれば教えていただけますか?

藤田さん:ええと、ただの動物好きなんです(笑)。私は子どもの頃から動物が大好きで、ケガをしている野良猫がいれば動物病院に連れていって保護していました。動物と触れ合うことで自然と「獣医」を志すようになりましたが、獣医になるには「動物実験」をしなければならない。とてもじゃないが、できないですね。そのことに葛藤して、社会福祉の道へ進むことにしたんです。

大学卒業後は老人ホームに就職し、生活相談員や事務長、理事などひと通りのことをやりました。その後は、小規模デイサービスを行う日本初の混合介護(介護保険と保険外サービスの組み合わせ)施設を開設して独立しました。内閣府の規制改革会議に参加させていただいたり、総理官邸での講演などなど、気が付いたら社会福祉のエキスパートとして招かれるようになっていたんです。

でも、自分の中では「動物と人を繋げたい」という気持ちがずっとあって、捨てきれませんでした。過去にもペット共生グループホームの実現に向けて動いたことはあったのですが、当時は、衛生上の問題から介護施設で動物を飼うことは認められませんでした。それが時代の変化もあって、近年になってようやく規制緩和されたので、かねてからの夢でもあった「動物福祉」と「人間福祉」を同時にやる「わおん」を立ち上げたんです。

わおんグループホームのご入居者と愛犬ヒカルくん

わおんグループホームのご入居者と愛犬ヒカルくん

——ほんとに動物がお好きなんですね。動物へのただならぬ愛を感じました。ここ数年で障がい者グループホームの需要が高まっていると聞きましたが、現在はどのような方が入居されていて、どんな生活を送っているのでしょうか?

藤田さん:需要の高まりは、障がい者に対する社会的な理解が進んでいることが大きいと思います。以前は子どもが障がいを抱えていれば、親が面倒を見るというのが当然のように思われていました。最近になってようやく、特別支援学校やグループホームをうまく活用する家庭が増えてきました。若い世代の入居者も増えていますね。

また、障がいを抱える方の人数も年々増えています。それに加え、自立できずに引きこもって歳を取ってしまい、それを高齢の親が世話をするという「8050問題」が表面化してきたので、社会性を身に着けるという目的で40代・50代の方の入居も増えています。

入居者の多くは、朝と夜は「わおん」で過ごし、日中は就労支援を受けたり障がい者雇用枠で働いています。大半の方が、一般企業に障がい者雇用枠で就職しています。

コロナでも揺るがない!安定したグループホーム経営

——「わおん」や「にゃおん」を運営している方は、どんな目的で始められる方が多いのでしょうか。ビジネスとしての収益性などについても知りたいです。

藤田さん:動物がとにかく好きで、動物保護の観点から運営している方もいれば、障がい者福祉をやりたいという方もいて、本当に様々です。もちろん利回りの良さに魅力を感じて運営されている方もいます。しかし、事業内容について説明していくうちに問題意識が芽生え、社会貢献に目覚める人は多いですね。

収益性については、他業種と比べると総じて高いと考えています。その理由としては、国から給付金が出ることも大きいです。

——新型コロナウイルスによって老人ホームのクラスター化などが問題になっていますが、わおんでも入居者さんの間で不安が広がったり、問題が発生したりはしませんでしたか?

藤田さん:実は、まったく問題ありませんでした。障がい者グループホームは少人数での共同生活が基本ですし、ステイホームと言われれば「家」にいるだけなので、つまり「グループホームがみんなの家」なので、どの施設からもペットと有意義な時間を過ごせていたと聞いています。

コロナの影響で、施設運営への参画者さんの数は減るかな?と思ったのですが、逆に増えました。先ほどもお話した通り、国から給付金が出るので、ビジネスとしても安定していると言えます。お問い合わせをしてくれた方の中には、コロナ禍での社会の変化を受けて「収益の柱」を増やしたいと考える医師や中小企業経営者の方も増えています。

ただ、新型コロナの影響で「猫カフェ」などの廃業が相次ぎ、飼い主に見放された犬猫の数も急増しているという点は危機感を持っていますし、とても残念です。いま、保護犬・猫を引き取って運営していたカフェなどが経営不振となり、お世話できなくなった動物たちをさらにうちが保護しているという状況です。

実際に運営している千葉県のわおんグループホーム

実際に運営している千葉県のわおんグループホーム

——常に「社会問題の解決」を考えて全力で運営されていることに感銘を受けました。最後に、藤田さんが次に解決したい問題について教えていただけますか? 実現に向けて動いているプロジェクトや今後の夢などがあれば聞かせてください!

藤田さん:従来型の障がい者福祉施設では、クッキーや手作りの小物など、何かを作るという作業をしているところが多くあります。実は、障がいを抱えた本人たちはその作業自体にストレスを感じてしまうケースがあるんです。

なので、運動でストレスを発散した方がよいのでは?と考えて、つい先日、フィットネスと障がい者福祉を組み合わせたデイサービスを開始しました。キックボクシングの世界チャンピオンがトレーニングプログラムを作っていて、食事も管理するという徹底ぶりです(笑)。

やはり運動は心身の健康にとても良いようで、手応えを感じています。この調子で施設を増やしたいですね。

将来的な夢は、児童養護施設が圧倒的に足りていないという問題を解決したいです。虐待されている子どもがとても多く、放置すればうつや発達障がいになるのは明白です。しかし、児童養護施設とは名ばかりで、ちゃんと管理されていないところも珍しくありません。

運良く施設に入所することができても、施設内でしっかりとした教育がなければ、施設を出た後でまともな社会生活を送るのは厳しい。そこでアニスピの人財ネットワークを使い、社会で活躍している社長さんたちに講演してもらいたいと思っています。ちゃんとした「大人像」を見せてあげられれば、自分が将来どうなりたいかも見えてくると考えています。

育てる人がいないのであれば、我々がやろうじゃないかという想いです。負のループを根元から断ち切ることに貢献したいですね。

人間福祉と動物福祉が社会を明るくする

藤田代表は「社会問題の解決を考えるのが趣味のようなもの」と笑顔で語ってくれました。インタビューを通して感じたのは、まさに社会に対する問題意識の高さと、それを絶対に解決するという熱い想いでした。

そしてもう1つ思い知らされたのは、犬や猫を中心とした動物の置かれている危機的状況です。公表されている数字よりも、はるかに多くのペットが殺処分されている現状を教えていただきました。

「誰もいないところに帰るのと、犬がいるところに帰るのは違う」と、わおんに入居してから性格が明るくなったという入居者も少なくないそうです。中にはいつでも犬の近くに居たいという理由で、ほかの部屋よりも小さめで騒がしい1階の部屋をわざわざ希望する入居者もいるのだとか。犬猫殺処分問題と福祉施設不足を同時に解決しようという試みは、非常に意義深く感じました。

これからは人にも動物にも環境にも優しい、持続可能な社会を目指すべきですし、事実その方向に舵が切られています。その傾向は新型コロナによりさらに加速するように思います。

そして、このようなニーズがあるにもかかわらず、障がい者介護という分野はまだあまり認知されていないため、ノウハウを持っている企業が圧倒的に少ないのが現状です。

しかし、アニスピホールディングスは「レベニューシェアモデル」という、参画者の自由度が非常に高く、縛りの少ない契約でバックアップしてくれます(唯一の義務は保護犬・猫を最低でも1匹は引き取るという優しいもの!)。

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もちろんサポートはしっかりしていて、介護や動物保護の経験がまったくない方も運営しています。国からの給付金が出るという点で、ビジネスとしても見通しが立てやすいことも人気の理由だと言います。

新型コロナにより、今までの当たり前が当たり前でなくなりました。ビジネスモデルや働き方は大きく変わらざるを得ないでしょう。1つの選択肢として、障がい者福祉と動物保護を融合させたビジネスは、大いに可能性を感じさせるものでした。

アニスピホールディングスでは、「わおん」「にゃおん」への参画者・参画企業を募集しています。無料個別相談をZOOMで受け付けているので、興味のある方は申し込んでみてはいかがでしょうか。

文:マネーボイス編集部
image by:株式会社アニスピホールディングス
PR:株式会社アニスピホールディングス

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