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コロナ禍にあえてインド進出を果たしたココイチ、日本式カレーに勝算は?

株式会社壱番屋が展開するカレーライス専門チェーン「カレーハウスCoCo壱番屋」(以下、ココイチ)が、なんと8月3日にカレーの本場であるインドに1号店をオープン。コロナ禍によって飲食チェーンの苦境が続くなか、そのチャレンジングな出店に大きな注目が集まっている。

同社のリリースによると、出店したのはインドの北部に位置するハリヤナ州のグルグラムという都市。昨年6月に現地に合弁会社を設立し、今春のオープンに向けて準備を進めていたものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響により計画を延期していたという。

現地・インドでも、目下のところ新型コロナの感染者数は拡大傾向にあるものの、飲食店などの店舗も徐々に営業を再開しているとのことで、晴れての開店となったようだ。

ココイチの店舗数は、8月3日時点で国内に1,261店舗。海外ではすでに中国や台湾、韓国、タイ、アメリカなどに出店しており、今回のインド1号店で12の国と地域、186店舗目の出店になるという。

現地の反応は?

現地で提供されるメニューは、約40種類のカレーメニューのほか、サラダや各種飲料する。

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メニューを見る限り、我々が日本でいつも食べるココイチのカレーと全く変わらないように見えるが、やはり現地の食習慣を考慮し、ベジタリアン・ノンベジタリアンメニューに分け、ノンベジタリアンメニューには鶏肉や山羊肉を用いた商品を提供するという。

ただ提供スタイルに関しては、国内店舗と同様にトッピング、ご飯の量、カレーの辛さを自分好みに選べるとのこと。ちなみにカレーソースは日本から輸入、ご飯はジャポニカ米を使用と、限りなく日本式に近いものとなるようだ。

こうなると気になるのが、現地で食べた方の反応だ。自国の食文化を代表するメニューが、見知らぬ遠き異国から逆輸入。逆に考えれば、インドで大人気の寿司屋が日本に上陸してくるようなもので、若干の訝しみの視線をもって迎えられるのは想像に難くないが……。

https://twitter.com/kkkyaman/status/1290190761556758528

このように、現地での評判は上々の模様。というよりも、現地に在留する日本人の方々が、オープン初日に合わせて大挙来店していたようだ。

インドで最も発展するグルガオン

というのも、ココイチのインド1号店が開店したグルガオンという都市は、インドの首都・デリーからほど近い開発都市。インドの中でも最も洗練されたオフィス街として知られ、日系企業や外資系企業などが入るオフィスビルが立ち並ぶなど、日本人も多く住む場所だ。

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ココイチが入居する「サイバーハブ」も、各企業のオフィスとオシャレな飲食店が連なる複合施設で、スタバはもちろんユニクロも入居しているという。日本でいうところの、ららぽーとやイオンモールに似た感じのスポットか。

地元・インドの人たちに日本式カレーが受け入れられるかどうかは、ココイチの今後の企業努力次第といったところ。ただ、新型コロナの世界的感染拡大によって一時帰国もままならない現地在留の日本人の方々にとっては、遠き故郷の味を懐かしむ良い機会となったことは間違いなさそうだ。

Next: ココイチはインド人でも辛い?

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