コロナ禍の気分をフレッシュ。福島県「旅館二階堂」のぬる湯温泉

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2020/08/02

季節を問わず疲れた体を癒してくれる温泉。温泉大国と知られる日本には、全国になんと2,983カ所もの温泉地あり、温泉施設は2万795軒にものぼります(2020年7月末時点)。

今回はその数多くある温泉施設のなかから、「ぬる湯」の秘湯についてご紹介していきます。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

福島県の「住みたくなる」ぬる湯温泉レポート!

今回は過去に訪れた、僕の大好きな福島県のぬる湯の秘湯をご紹介します。その名も「微温湯(ぬるゆ)温泉」、宿名は「旅館二階堂」です。

たしか例年は11月下旬~4月下旬までは冬季休業で、ゴールデンウィークごろから営業開始です。公式サイトを確認してみたら、特段このコロナ禍で休業する旨の告知もありませんでした。コロナが落ち着いたら真っ先に行きたい宿のひとつでもあります。

宿はものすごくひなびていて、おおよそ昭和初期くらいから時が止まっているかのような雰囲気。建物も一番古いものは1872(明治5)年ごろのものだそうです。

林道のどん詰まりに立つ宿の外観。つげ義春の漫画に出てきそうimage by:飯塚玲児
最も古い明治期の建物にある客室。 虫さんが多数ご来訪するのはご愛嬌image by:飯塚玲児
湯治宿らしく、自炊場も備えています。建物は古いですが、館内は清潔です。image by:飯塚玲児

で、なんたって温泉が素晴らしい。

泉質は、酸性・含鉄(2・3)-アルミニウム-硫酸塩泉で源泉31.8度。一度入ったら出られないフレッシュ感。むろん源泉100%かけ流しです。

撮影を含めて2時間も浸かっていた僕。奥は沸かし湯のポリバス。image by:飯塚玲児

写真左側の塩ビパイプから、ものすごい勢いで源泉が注ぎ込まれています。いわゆるドバドバ泉です。 pH2.9の湯は古来眼病に特効ありとされてきました。


この源泉の勢いを見てください!思わず笑っちゃうくらいにすごい…image by:飯塚玲児
浴槽の木枠から絶えず源泉が溢れ出ています。もう最高!image by:飯塚玲児

これだけの湯量(毎分194リットル)がありながら、風呂は男女別内湯のみ。 揚湯時に混じった砂が浴槽の底に溜まるので、毎晩底部の湯を砂子抜き、完全冠水清掃も毎日行っています。 素晴らしい湯遣いですよね。

夕食は別室に用意されましたが、これがなかなかに豪華。山の秘湯としては申し分ない感じで、二の膳までついてきます。きちんと手作りしていて実にうまい!

夕食メニューの一例。イワナの味噌焼きがうまかった!image by:飯塚玲児
朝食も素朴ですが、やはり手作りでうまかったです。飯が進むこと!image by:飯塚玲児

食事は宿の男衆の仕事と聞きました。ご主人など男衆は表に出ないのが、この宿の昔からのしきたりなんだそうです。

代わりに、女将の千秋さん、大女将の富士子さんが宿の顔となって切り盛りしています。

女将の二階堂千秋さんと大女将の富士子さん。元気かなぁ。image by:飯塚玲児

宿泊料は2食付き1万950円。自炊だと4,503円。5泊以上の長期滞在は2食付きで7,926円。昼飯の用意も可能だそうです。

春以降なら山菜も採れると思いますので、釣り三昧と山菜採りして、米味噌持参で10日くらい「住みたい風呂」の宿です。

ちなみに、源泉かけ流しで有名な高湯温泉も車ならすぐのところ。30分ちょっと走れば都会に出れます。ぬる湯好きにはたまらない温泉宿ですよ。

  • image by:Shutterstock.com(イメージです)
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愛知県生まれの紀行作家、郷土料理写真家。編集部記者として月刊誌の編集に携わりながら全国各地を取材。『クチコミおでかけ旅情報』編集長、創刊50年を誇る現役最古の旅行雑誌『月刊旅行読売』の編集長を歴任したのちに退職、独立。これまで編集した雑誌や情報誌は数100冊、過去に泊まった宿は800軒余、入浴した温泉は3,000湯を超える。

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