西村再生相、会見連続100日 総裁選意識、発信突出に批判

2020.08.04
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by 時事通信


記者会見する西村康稔経済再生担当相=4日午後、東京都千代田区

記者会見する西村康稔経済再生担当相=4日午後、東京都千代田区

 新型コロナウイルス対策を担う西経済再生担当相の記者会見が4日、連続100日に達した。休日返上で発信を続け、いまや政府のコロナ対応の「顔」に。一方で将来の自民党総裁に意欲を隠さず、スタンドプレーが目立つことには批判も上がる。
 「分かりやすくお話ししたい。きょうよりもあす、いい説明をするという思いで毎日臨んでいる」。西村氏は節目の4日の会見でこう強調。「逃げずに会見するのが今の責任だ。安心できる日まで正確な情報を伝えたい」と、引き続き前面に立つ考えを示した。
 西村氏は3月、コロナ対策の特別措置法改正案の国会答弁担当になり、成立後も同法の運用に当たる。内閣官房職員の感染を受けて一時自宅待機したが、その後の4月27日から役所での記者会見や視察先での即席会見を連日続けている。
 官房長官を除き、閣僚の会見は通常、火、金曜日の週2回。コロナ対応をめぐり政府への批判は根強いが、首相は1カ月超にわたり会見していない。土日も祝日もない西村氏の徹底ぶりに、政府関係者は「体力面、精神面のタフさは大したもの」と話す。
 異例の露出の背景には政治的な野心がにじむ。所属する自民党細田派には「ポスト安倍」の有力候補が不在。西村氏は「私のコロナ対応の経験を必ず将来に生かさなければいけない。先頭に立って取り組みたい」と公言し、自民党が野党時代の2009年に続く総裁選出馬を視野に入れる。
 一連の会見では調整不足のまま発信が突出した結果、混乱を招く事態もあった。6月、コロナ対策の専門家会議を「廃止する」と表明した際は専門家や与党に困惑や反発が拡大。最近はお盆期間中の帰省をめぐり、慎重な対応を呼び掛ける西村氏と「Go To トラベル」キャンペーンを推進する菅長官の温度差が表面化した。
 政権幹部は西村氏について「反射神経はいいが、状況に流されやすく定見が定まらない」と手厳しい。細田派からも「目立ちたがりが過ぎる」と冷ややかな声が漏れる。(2020/08/04-20:54)

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