【書評】なぜ、世界の中で日本だけ「石油枯渇」に怯えているのか

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人は誰しも、さまざまな物事について先入観を持ってしまっています。先入観とはすでに固定された概念であるため、それを覆すのはなかなか大変なこと。しかし、そんな先入観を持ち、物事を見てしまったがために失敗してしまった、そんな経験を持っている人は多いかもしれません。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』で編集長の柴田忠男さんがレビューしているのは、メルマガ『武田邦彦メールマガジン『テレビが伝えない真実』』でもおなじみ、武田邦彦教授が「日本のマスコミが先入観を増長させている」と主張する一冊です。

偏屈BOOK案内:武田邦彦『先入観はウソをつく 常識や定説を疑い柔軟な発想を生む方法』

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先入観はウソをつく

武田邦彦 著/SBクリエイティブ

先入観とは何か。辞書で引くと「前もって抱いている固定的な観念。それによって自由な思考が妨げられる場合にいう」とある。先入観は子どもより大人の方が多くなる。歳をとるにつれて頭が固くなるといわれている。大人は先入観が先に動いて失敗することは、日常生活においてしばしば見受けられる。

「やがて地球上の資源が枯渇する」と騒いでいる国は、世界中で日本しかない。石油を商売にしている会社は、「あと40年しか持たない」と言い張っている。石油原価を高い水準で保つために、いかなる場合においてもそう言う。1970年代前半に起きた石油ショックのとき、マスコミや専門家、とくに石油会社の関係者はしきりに「石油はあと40年で寿命が尽きる」と言って国民を脅した。

それから40年後の2010年にも「石油はあと40年で寿命が尽きる」と言って、また国民を脅した。「石油は無限にある」とは絶対に言わない。なぜ原油価格の変動が激しいのかといえば、世論操作して値段を上下させ、結果として利益を得ているからだ。これは商売で儲けるための基本からすれば当然のことである。

マスコミが「石油はやがて枯渇する」というから、煽動された国民は間違った行動に走る。第一次石油ショック時のトイレットペーパー、ティッシュペーパー買い占め騒動が起きたのは「服従の理論」が支配している国・日本ならでは。「石油はやがて枯渇する」というのは、オイルマネーで儲かっている人たちの口車にのせられているだけに過ぎない。石油はなくならない。それが真実だ。

武田教授は医者ではないが、科学者として統計的なデータを分析した上で、現在の医療における間違いを指摘する。それは混乱を極める血圧の正常値についてである。血圧の基準値は時代とともに変化している。たとえば2016年7月時点の人の数値を現在の基準でみると、ほとんどの人が高血圧だとされてしまう。

高血圧はすぐに治療をしなければならない病気かといえば、実はそうではない。20代と70代では数値が違って当然だ。若い頃は血管が柔軟で血管壁もきれいだから血液が流れやすく、血圧の数値は低い。男性より女性の方が血管が細く、血液の流れる量も少ないので、血圧の数値は低くなるため、男性よりも血圧が低めに設定されている。年齢が加わるにつれて、血管は固くなっていく。

心臓は圧力を上げて血液を流そうと試みる。血管が損傷するのを承知で無理に血圧を上げるのではなく、年齢が上がるとおのずと血圧を上げざるを得ない。これこそが、中高年以降の高血圧の原因の一つと考えられる。にもかかわらず、「高血圧は悪」という構図ができ上がっている。月一回通院する病院では、必ず血圧を計測されるが、問題ナシと言われ続けている。異常な老人だろうか。

血圧と塩分の摂取量について。減塩の傾向を教授は間違っていると断言する。「食塩を摂ると血圧が上がる」という間違った情報を医者が信じ、錯覚してしまったのか、それは科学の基本的な訓練を受けていないからだ。武田邦彦さんの本は、真実が書かれていると信じるが、どうしてもっとメジャーな出版社から大々的に出ないのか、そこには医学界の陰謀がwww(以下はまた)。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock.com

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