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大阪アカデミア「コロナ患者脱走」は予想されていた。監禁地獄の実態とは?

大阪府が新型コロナウイルス感染者の宿泊療養施設として使用している「大阪アカデミア」から、患者が無断で外出するケースが今月8月に入ってから相次いでいると、時事ドットコムなどが報じている。

各社の記事によると、3日に20代男性が買い物で無断外出したほか、7日にも30代の男性が無断で帰宅。また11日には、50代男性が「カップ麺が欲しい。用意しないと脱走する」などと要求した末に、職員や警備員らの説得を振り切って外出。ピザ店やコンビニに立ち寄り、約1時間後施設に戻ったという。

府は警備員を増員し、滞在中の患者には外出禁止を呼び掛けているが、禁止する法的根拠はなく、対応に苦慮しているという。

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まったく何も無い南港の果て

今回、脱走が相次いでいる大阪アカデミアだが、一体どのような施設なのだろうか。

https://twitter.com/KUNTAKA1209/status/1293354463323803649

大阪アカデミアが建つのは、大阪湾岸にある南港と呼ばれるエリアにある咲洲という人工島。島内にはアジア太平洋トレードセンターや大阪府咲洲庁舎などからなる「コスモスクエア」や、大阪国際見本市会場(インテックス大阪)などの大規模施設が立ち並ぶいっぽうで、近年では大規模なマンションや大学などの教育施設も増えているという。

こう聞くと、とても賑やかな場所ではと思うのだが、大阪アカデミアが建つところは、少しばかり寂しいエリアのようだ。

https://twitter.com/iminashi55/status/1293616972261765120

Googleストリートビューで見てみると、周辺には立派な建物が建ち、緑も豊富な良いロケーションだが、どことなく殺風景な感じもしないではない。

実際に泊まったことのある人の声は?

そして大阪アカデミアという施設だが、公式サイトに“西日本最大の宿泊研修施設”と謳われているように、普段はビジネスなどでの研修や会議などで使われている施設のようだ。

そうなると気になるのが、他の都道府県で宿泊療養施設として借り上げられているような一般的なビジネスホテル等と、室内の設備に差はあるのかという点だ。

https://twitter.com/POYUME1/status/1293425306166947840

これらはあくまでも個人の感想で、宿泊した部屋のタイプなどでも印象がもちろん異なると思われるが、実際に宿泊した方々からの声は辛辣なものが多いようだ。

これ以上の脱走を防ぐには

このように相次いで起きている脱走劇だが、いっぽうで施設自体の問題ではなく、提供される食事の内容に問題があるのではという声もある。

報道によると、3日に無断外出をした男性は「食事が足りなかった」と話し、近くの商店で清涼飲料水やさきいかなどを購入したとのこと。また上記の通り11日に脱走した男性も「カップ麺が欲しい」と訴えている。

この手の施設に収容されているのは、新型コロナ感染者のなかでも、いわゆる軽症者の方たち。なかには無症状に近く、本人的にはいたって元気といった者も多く含まれていることも考えられ、それらの方々に画一的に食事を提供し、それで満足してもらうというのは無理がある話なのかもしれない。

大阪府では、13日も新たに177人の感染者が確認され、10日間連続で新規感染者数が100人を超えている状況。大阪アカデミアのような宿泊療養施設の需要はさらに高まっているだけに、患者への呼びかけや警備員の増員よりも、まずその運用を実情に応じて変えていかないことには、今後もこの脱走劇は続くのではないだろうか。

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