期待の新戦力として迎え入れてはみたものの、いざ同じ職場で働き始めるや、その評価に疑問符をつけざるを得ないというケース、よく耳にするものです。なぜこのようなギャップが生じてしまうのでしょうか。今回のメルマガ『金田博之の「出世したサラリーマンが絶対やらなかったこと」』では外資系IT企業の日本法人代表をつとめる金田博之さんが、「あとから評判を落としてしまう人」に共通する“イレギュラーに対する弱さ”を分析するとともに、高評価を保ち続けるために本人が取るべき行動や、上司や先輩ができるフォロー法を紹介しています。
一見デキる人の価値が下がってしまう理由
課題背景
面接や新入社員、あるいは異動などで新しいメンバーが入ってきたとき、「この人はすごい!」と思ったものの、いざ一緒に働いてみたらイマイチだった……。そんな経験はありませんか?最初は高い評価を受けていたのに、あとから評判を落としてしまう人には、ある共通した理由があります。典型的なパターンとその解決法をお話します。
評価が下がるのは「緊急時」イレギュラーに要注意
履歴書や職務経歴書を見ると、とても期待できる人という印象。面接で話してみても、人当たりがよくて経験も豊富そう。自分だけでなく他のメンバーも「あの人はいいよね」と高評価。
そんな鳴り物入りの新人といざ一緒に仕事をしてみて、「あれ?」と思ったことはありませんか?
例えば、仕事が切羽詰まってくると「これは○○さんの仕事ですよね」と途中で投げ出したり、「前の会社ではこうだったから」と過去の経験を引っ張ってきて意見を否定するような人がいます。
また、会社の雰囲気に慣れていないのに加え、なかなか成果が出ないことに焦って、勝手に的外れな動きをしてしまう人を見かけることもあります。
こんなふうに、初めは高く評価されていたにもかかわらず、みずから評価を下げるような行動をとってしまう人が少なくないのはなぜなのでしょう?こうした現象に共通しているのは、何だと思いますか?
それは、「緊急時に起こりがち」だということです。
転職するときは誰しも、前向きな気持ちになっています。これからいい仕事をしていこうというイメージを膨らませて面接や新しい職場に臨みますが、いざタフな状況になると、その理想通りの行動がとれなくなってきます。その結果、平常心を失って、冷静な行動が取れなくなってしまうのです。
その現れ方はさまざまですが、予期せぬトラブルや、急に大きな変更が生じたとき、あるいは急ぎの仕事が発生したときなど、イレギュラーな緊急時につい弱い本性が出てしまうのです。
しかも、この緊急事態が訪れるのは、そんなに先のことではありません。本格的に仕事を開始すると、正しく危機感を持って仕事をしている人なら、案外早くに危機が訪れます。
そこでどういう行動をとるかによって、当初の高評価をキープできるか、評価がひっくり返ってしまうかが決まります。
いざその緊急場面が訪れたときに、「来た!」と身構えておいて対策を取れれば、新しい環境で評価を下げることは防げるのです。