戦後75年、抑留死者を追悼 コロナ影響、遺骨収集中断―東京

2020.08.23
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by 時事通信


シベリア抑留者らの冥福を祈り、献花する新関省二さん=23日午後、東京都千代田区

シベリア抑留者らの冥福を祈り、献花する新関省二さん=23日午後、東京都千代田区

 第2次世界大戦後に旧ソ連シベリアやモンゴルに抑留され亡くなった人たちを追悼する集会が23日、千鳥ケ淵戦没者墓苑(東京都千代田区)で開かれた。戦後75年の今年は、新型コロナウイルスの影響で、参列者は例年の半数ほどの約100人となり、会場ではマスク着用や手指消毒が徹底された。参列者は犠牲者の冥福を祈り、新型コロナの影響で中断された遺骨収集の再開を願った。
 集会は、市民団体のシベリア抑留者支援センター(同)が主催。旧ソ連の指導者スターリンが1945年8月23日に抑留の指令を出したことにちなみ、2003年からこの日に開かれている。
 厚生労働省によると、抑留者約57万5000人のうち約5万5000人が死亡。同墓苑には身元不明の約1万7000人分の遺骨が納められている。
 一方で、未収集の遺骨は約3万2000人分と推計される。遺骨取り違え問題を受け、厚労省はロシア側と返還方法などを協議してきたが、新型コロナの影響で協議は中断。収集も昨年8月を最後に実施されていない。
 抑留経験者の新関省二さん(94)=横浜市青葉区=はあいさつで「抑留者は平均97歳で、この1年でも仲間が次々旅立った。コロナで遺骨収集、墓参ができない状態が続く。抑留死亡者にとっても遺族にとっても『戦後』は続いている」と訴えた。(2020/08/23-20:30)

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