なぜ無視する?政治家・安倍晋三が「日本の名宰相」だった究極の証拠

kitano20200831
 

8月24日に総理大臣としての連続在職日数が史上最長となったそのわずか4日後、突如辞意を表明した安倍首相。早くも永田町では後継レースが本格化していますが、安倍政権の7年8ヶ月を総括することなくして先に進むことはできないと言っても過言ではありません。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では、これまで誌上でさまざまな提言を首相に対して行ってきた国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、安倍政権の失策と功績をあらためて振り返っています。

安倍総理は、なにが偉大だったのか?

皆さんご存知と思いますが、安倍総理が8月28日、辞意を表明しました。今回は、安倍時代を振り返ってみたいと思います。

安倍総理の場合、「よかったこと」と「悪かったこと」があります。後味がいいように、まず「悪かったこと」に触れ、その後「よかったこと」を書きましょう。

安倍総理の失策

一般的には、

  • 憲法を改正できなかったこと
  • 拉致問題を解決できなかったこと
  • 北方領土問題を解決できなかったこと
  • 新型コロナ対策の失敗

などが挙がるでしょう。

もちろん、これらを批判することはできます。ですが、「拉致問題」「北方領土問題」は、誰がやっても解決はとても困難です。そもそも「返す気が全然ない相手」と交渉するのですから。ですから、この件で総理を批判する政治家さんには、「では、あなただったらどうするのですか?」と聞いてみたいです。

そして、「新型コロナ対策」の失敗。これは、確かにひどいかもしれません。しかし、世界を見ても「成功している」といえる国はわずか(NZ、台湾など)。だから、「安倍総理だけが際立ってひどい」とはいえないと思います。

私が挙げたい失策は、三つです。

まず、消費税率を2回引き上げたこと。2013年、アベノミクスで、日本経済はイケイケでした。しかし、2014年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられた。これで失速し、以後復活することはありませんでした。ちなみに2013年のGDP成長率は2%。消費税が引き上げられた2014年は、0.38%です。

2019年10月、今度は8%から10%に税率が上がりました。今、新型コロナ禍の影響で日本経済はボロボロになっています。それで見えづらくなっていますが、実をいうとコロナ禍の前から、日本経済はボロボロになっていたのです。証拠として、日経新聞2020年3月9日「19年10~12月期GDP改定値、年率7.1%減に下方修正」から。

内閣府が9日発表した2019年10~12月期の国内総生産(GDP)改定値は、物価変動を除いた実質で前期比1.8%減、年率換算では7.1%減だった。

二つ目の失策は、3K外国人労働者を大量に受け入れはじめたこと。安倍政権下で、日本は「世界4位の移民受け入れ大国」になったそうです。2016年時点で1位はドイツ、2位アメリカ、3位イギリス、4位日本。

私は、移民全般に反対ではありません。しかし、「日本人が嫌がる仕事は、貧しい外国人にやらせればいいや」という、「差別的3K移民」に昔から反対しています。この手の移民が、欧米でもロシアでも大問題になっているからです。

三つめの失策というか「無策」は、少子化問題。現在、日本の人口は、1年間に50万人というすさまじいスピードで減少しています。

総務省は5日、住民基本台帳に基づく人口動態調査を発表した。1月1日時点の日本人は1億2427万1318人と前年から50万5,046人減った。減少幅は1968年の調査開始以来最大で、11年連続で減った。

(日経新聞2020年8月5日「人口減最大、50万人 11年連続減 外国人最多286万人 総務省 人口動態調査」)

ちなみに鳥取県の人口は56万人。日本では、1年間で一つの県が消滅する勢いで人口が減っている。このままだと、80年後、日本の人口は5,000万人を切るといわれています。今の韓国レベルですね。その時、日本のGDPは世界10位以下になるでしょう。中国からの移民が、全人口の半分ぐらいを占めているかもしれません。はたして日本は、独立国家でありつづけることができるでしょうか?

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安倍内閣は、「出生率1.8」という目標を掲げていました。ですが、事実上何もしていないようです。少なくとも、状況は何も変わっていません。というわけで、

  1. 消費税率を2回引き上げたこと
  2. 3外国人労働者を激増させたこと
  3. 少子化問題にほとんど何も取り組んでいないこと

この三つは、安倍内閣の失策だと思います。

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