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「2両編成で?」「もう男女別でいいだろ」熊本市電の女性専用車両に批判殺到

熊本市交通局が、市内を走る路面電車の熊本市電に「女性専用車両」を試験的に導入することを決めたと報道されたことが、ネット上で波紋を呼んでいる。

記事によると、試験運行が行われるのは9月14日~12月28日の平日朝の通勤・通学時間帯。導入するのは2両編成の全低床車で、進行方向に対し後方の車両を女性専用にし、女性以外には小学生以下の男児や障害者とその介助者の男性も乗車できるとのこと。

熊本市電ではこの3年間で年平均6件の痴漢・盗撮被害があり、「導入してほしい」という声が女性客から寄せられていたという。

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もう男女別で良いのでは?

大都市圏にある路線では、今や当たり前の存在となった女性専用車両。それが今回の導入に関しては、どうして話題になっているのかというと、前述の通り対象となるのが2両編成である点。つまり1編成の半分が女性専用になるというのだ。

これに対してネット上では「これは乱暴すぎる」「もう男女別で良いのでは?」といった、至極真っ当な反応があふれる結果に。なかには「車両を男女に分けて動く更衣室にでもしたら」といった、突飛な意見も見られた。

また、このように「男性差別だ」といった声もあがる結果に。性差別を無くそうという声が世界的にも大きくなっている昨今だが、それに対し「結局は女性優遇じゃないか」とヘイトを貯める男性たちも、これには敏感に反応した形だ。

運転士さんも可哀想…

いっぽうで、実際に利用する地元の方や鉄道に詳しいマニアからは、「実際問題、導入できるものなの?」という声もあがっている。

https://twitter.com/ktr5104/status/1301075185605304320

確かに10両近い編成の中の1両であれば、乗客も分散されて問題なさそうだが、2両編成のうち半分が女性専用になると、片方はガラガラ、片方は大混雑といった状況も容易に考えられそうである。

また導線の問題だが、熊本市交通局のサイトを確認すると、熊本市電は通常、車両中程・後方のドアから乗車し、運賃箱のある車両前方のドアから降りる方式。車両の左右複数か所に乗降できるドアがある一般的な電車とは異なり、イメージ的には路線バスに近い乗り降りの仕方で、果たしてスムーズに乗客を分けられるのかという疑問は、当然出てくるだろう。

そして、この「女性専用車両」の導入によって、現場の運転手にさらに負担がかかるのではという声も。

先の記事によると、熊本市交通局は「あくまで任意の協力をお願いするもので、性別によって乗車を拒否するものではない」とし、男性客に協力を呼びかけるが、女性専用車両に男性客が乗車しても乗務員が直接注意することはない、とのこと。ただし、男女乗客の間で無用の諍いが起こる可能性は大いに考えられ、その度に乗務員が対応する必要に迫られていては、定時運行が保たれるかどうかも危ういところだろう。

熊本市交通局によると、試験期間中にアンケートを実施し、本格導入するかどうかを検討するとのこと。もちろん、女性利用者からは期待する声もあがっており、男女問わず快適な車内環境を作るためのひとつの策であると思うが、それにしてもある意味で画期的な「2両編成のうち1両を女性専用車両」というプラン。実際に成立するものなのか、興味深いところである。

Next: 「間違いなく支障をきたす」問題点を指摘する声

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