「ドコモ口座」不正利用は、本当にNTTドコモだけが悪いのか?

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NTTドコモが提供する「ドコモ口座」を使って銀行の預金が不正に引き出される事案が相次ぎ、10日にNTTドコモが緊急会見を開きました。被害額は1800万円以上にのぼり、預金が不正に引き出された銀行は11行におよんでいます(NTTドコモ発表、9月10日現在)。この会見に出席し、質問にも立ったメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』の著者でケータイジャーナリストの石川温さんは、この不正利用問題がNTTドコモのユーザー以外でも地銀に口座を持つ人であれば誰でも被害がおよぶことを改めて指摘、今後の被害拡大の可能性についても警告しています。

「ドコモ口座」不正利用問題。ガバガバセキュリティの地銀も説明責任があるのではないか

NTTドコモの「ドコモ口座」で不正利用問題が騒動になっている。

9月10日夕方にはNTTドコモで会見が行われた。確かにNTTドコモがdアカウントのオープン化を進める上での「落ち度」があったのは事実ではあるが、地銀側のセキュリティの甘さも当然ある。会見では地銀側を庇うというか、あまり触れて欲しくない空気を醸し出していたのが印象的であった。

今回の問題、メディアとしては「ドコモ口座」が見出しに立ってしまうため、読者などからすれば「私、ドコモじゃないから関係ない」とか「私、ドコモ口座なんて使っていない」と他人事になりがちだ。しかし、実際は該当する地銀の口座を持っている、すべての人が被害にあう可能性があるだけに本当に厄介だ。

これが、NTTドコモのユーザーであれば、SMSを飛ばしたり、契約住所にダイレクトメールを送付すると言った手立てが打てるが、そうは行かない。

会見で「NTTドコモと接点のない、善良な市民が被害に遭う可能性があるが、どうやって、そうった人にリーチしていくのか」と質問したが、「今後、検討する」といった内容にとどまった。本来であれば、地銀と協力してテレビCMを流したり、新聞で広告を出すという対処が必要だろう。また、地銀側では、顧客にDMを送るべきだ。

今回のスキームでは、NTTドコモ側は地銀からドコモ口座にチャージがあった場合、これが正しい取引なのか不正取引なのかは判断できない。あくまで銀行側、口座を持つ人が、不正な取引を見つけ出さないといけないというのも事態を混沌とさせている。

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