京都で幻の海洋グルメ・サメ料理、ゲンゲ、干しなまこ、カメノテを味わう
京都・日本海の海の幸といえば、京料理の食材で定番のグジ(アカアマダイ)や冬の味覚の王様・ズワイガニなどが思い浮かびますよね。
でも、なかには私たちの食卓にはあまりなじみのない魚介類も食べられているんです。いったいどんなものがあるのでしょうか?
サメの握り寿司
「海のギャング」も一皮むけば綺麗な白身に!
サメといえばまず思い浮かぶのが中華料理の高級食材フカヒレ。広島県の一部ではわに料理と言われ親しまれていますが、京都では一般的に食用とはされていませんでした。
「海のギャング」として恐れられているサメを使った独自のメニュー開発に取り組んでいるのが、以前KYOTOSIDEでもご紹介しました宮津市の京都府立海洋高校です。
もともと、日本海では底引き網漁が盛んなのですが、ハタハタやカレイなどに混じってサメも入ってしまい、漁師さんたちを悩ませてきました。
というのも、サメはアンモニア臭がきつく食用には不向きとされていたのため、せっかく網にかかっても海に戻すしかなかったのです。
このサメを有効活用できないかと立ち上がったのが、京都府立海洋高校の生徒たち。特産品につながればと、さまざまなメニュー作りに取り組んでいます。
サメを加工、保存する時には冷凍管理を徹底。合わせて十分に加熱することで、揮発性成分を飛ばすことができるのだとか。
ときには、柑橘類で匂いを中和させたり、薬味に一工夫したりすることで、食べてもアンモニア臭を感じないようになるのだそうです。
同校の毛戸先生によると、サメの味わいは、なんと高級魚として知られるフグにそっくりなのだとか。
淡泊で癖がないため、酒蒸しにしてチリ酢にするもよし、蒲焼きにするもよし、唐揚げにして軍艦巻きのように味わうのもよし、幅広い食材との組み合わせも楽しめるそうです。
看板メニューの1つであるサメのにぎり寿司は、京丹後市大宮町と網野町にある2つの事業所で販売されています。
また、にぎり寿司以外にも、南蛮漬けや唐揚げなどのメニューが、京都府内にある7つの店舗で味わうことができるそうです。詳しくは、京都府立海洋高校HPをご参照ください!(2019年3月末現在)
「将来的には、地元の味として地域に定着してほしいというのが私たちの願い。そのためには、資源量の保護も大事。本校で一次加工をする際には、併せて漁獲調査も実施したいと考えています。」(毛戸先生)
「アンモニア臭」と聞くと最初は抵抗があるかもしれませんが、匂いがしないのならぜひ食べてみたいところ。おまけにフグに近い味わいなら、「てっちり」ならぬ「さめちり」が、京都の冬の食卓に並ぶかもしれませんね!
■■information■■
京都府立海洋高等学校
京都府宮津市字上司1567-1
TEL:0772-25-0331
http://www.kyoto-be.ne.jp/kaiyou-hs/cms/