来る10月1日、税制改革に伴って暮らしにかかわる様々な税額や料金の変更が行われるにあたり、ネット上では悲喜こもごもの声があがっている。
具体的には、酒税改正によって第三のビールは350mlあたり9.8円、ワインも同じく3.5円、ともに引き上げに。その反面ビールや清酒は、酒税が引き下げになる。また先日報じた通り、たばこも3年連続で値上げされる。
いっぽうNHK受信料は、昨年10月の消費増税時に価格据え置きで実質値下げとなったのに続き、今回のタイミングでは値下げを実施。また雇用保険のほうは、これまで自己都合で会社を辞めた際に失業手当をもらえるまでの期間が3か月だったのが、10月以降は2か月に短縮される。
ビール会社の努力を踏みにじる値上げ
今回の税額・料金変更に関し、ネットで特に取沙汰されているのはやはり酒税の改正。なかでも第三のビールの値上げに対して反応する方が多く、値上げ前に駆け込みで大量買いをしたとの報告がSNS上では多くあがっている。
10月からビールっぽいリキュール飲料は、
増税するから とりあえず1箱、まとめ買い。
1日1本だから24日分。にしても
ビールっぽいのを、試行錯誤して安く作った
メーカーの努力が水の泡じゃないかー。 pic.twitter.com/aLkWlznqLU— 村山ひとし (@murahit) September 29, 2020
まとめ買いしてきたよ
🍺 🍺 🍺#ビール #イオン
# 第三のビール
# まとめ買い pic.twitter.com/h6joTxDHC5— うさぎハルコ (@haruaya7) September 28, 2020
元々、高い酒税がかかっていたビールに代わるものとして、麦芽比率を下げることで酒税を抑えつつも、ビールと遜色のない味わいを目指して開発されたのが発泡酒。その後、発泡酒にも高い酒税が課されるに至り、それならばということで誕生したのが麦芽0%の第三のビールだった。
こういった経緯から、現時点でビールには77円、発泡酒は47円、第三のビールには28円の酒税となっているが、今回の改正も含め今後段階的に酒税の調整が行われる予定で、2026年にはすべてが55円程度に一本化される予定だ(すべて350mlあたりの税額)。
要するに、今後ビールの税率は下がっていくものの、発泡酒や第三のビールの税率はアップの一途。さらに税額が一本化されれば、発泡酒や第三のビールというジャンルが実質上消滅することになる。このように庶民のささやかな楽しみを奪い、さらにビール会社が行ってきた血の滲むような努力を踏みにじる形の酒税改正に、改めて批判の声があがっている。
第三のビールが来月から増税される。ビールが飲みたいのに発泡酒で我慢してたら発泡酒の税率を上げ、第三のビールで我慢してたら今度は第三のビールを狙って来た。庶民が工夫して手に入れたささやかな楽しみさえ追いかけて来て税金とってやるってやり方が本当に嫌らしい😠
— amenbo (@amenbo_2015) September 27, 2020
第3のビール値上げ問題、見れば見るほど腹立つ。企業努力を無かったことにする国のやり方よ。
最終的にはビールも発泡酒も第3のビールも同じ税率とかどういう意味やねん。— 真冬@育児垢 (@mahuyun0112) September 29, 2020
企業努力をどんどん潰していく酒税のスタイルはもはや国がマフィアやヤ○ザ化しているのかと思えるくらい→第三のビール値上がり たばこも、受信料は下げ 10月から暮らしこう変わる(時事通信) https://t.co/UrTmV3kmOm
— まっちゃんさん (@massan_ngy) September 28, 2020
ストロング系の人気がさらに高まる可能性
また、第三のビールが値上がりになることで、今回の酒税改正ではノータッチだった、いわゆるストロング系チューハイの人気がさらに高まるのではという意見もある。
酒税変更でハイボールとストロング系が益々人気に
— UDON-777🎰 (@UDON777jp) September 27, 2020
10度未満で発泡性の酒類を指すストロング系チューハイは、350mlあたりの酒税が28円と安価に抑えられており、安く酔えるということで近年人気が高まっている。ただ、そのジュースのような飲みやすさがゆえに、普段お酒をあまり飲まない人でも大量に摂取されやすく、ひいてはアルコール依存の入り口になる危険性も大いに叫ばれている。
今回、第三のビールの酒税が引き上げられれば、そんなストロング系チューハイのお得感がより増す形に。それだけにハマる人がさらに増えるのではと、危惧する声があがっている。
謎だけど正直ビールよりストロング系どうにかしたほうがええんでないのか たばこみたいに依存症のやついるでしょ
— 晴嵐 (@seiran_mv) September 29, 2020
結局ストロング系とかが最安値になってくるから医療費負担含め将来的な健康被害は増えると予想する。あれはアルコール入り炭酸ジュースだと思う。グビグビ飲めて色々忘れさせてくれるのなら、日々がとても辛い人の支えになっている。第三のビールよりアル中になりやすく高齢化した際の弊害は大きい。
— AGE (@age_gk) September 26, 2020
徴税の効率化には地道を上げるいっぽうで、国民の健康が阻害されうる流れには歯止めをかけない。そんな国の姿勢に疑問を感じる酒飲みの方は、結構多いのではないだろうか。
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