日ロ、「2島先行」再確認 首相、領土問題「終止符を」―プーチン氏と初の電話会談

2020.09.29
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by 時事通信


ロシアのプーチン大統領との電話会談を終え、記者団の質問に答える菅義偉首相=29日夜、首相官邸

ロシアのプーチン大統領との電話会談を終え、記者団の質問に答える菅義偉首相=29日夜、首相官邸

 首相は29日、ロシアのプーチン大統領と就任後初の電話会談を行った。両首脳は歯舞、色丹両島の引き渡しを明記した1956年の日ソ共同宣言を基に平和条約締結交渉を加速させるとした2018年の首脳間合意を再確認。近いうちに対面形式の会談を目指すことで一致した。
 18年合意は前首相とプーチン氏が交わした。日本側が事実上、2島返還を先行する立場にかじを切ったとみられており、菅氏はこの踏襲を明確にした形だ。ただ、領土交渉をめぐる日ロの立場の隔たりは大きく、安倍政権時代からこう着状態に陥っている。
 会談は日本側の申し出により行われ、20分弱だった。菅氏は「平和条約締結を含む日ロ関係全体を発展させていきたい。北方領土問題を次の世代に先送りせず、終止符を打ちたい」と表明。経済や民生など幅広い分野で日ロ関係の深化を図る安倍政権の方針を引き継ぐことを伝えた。
 これに対し、プーチン氏は「安倍前首相との関係を高く評価しており、菅首相との間でも建設的に連携する用意がある。2国間のあらゆる問題について対話を継続していく」と述べた。菅氏の首相就任に祝意も示した。
 菅氏は会談後、記者団に「領土問題を解決して平和条約を締結する基本方針の下に粘り強く交渉していきたい」と強調。「大統領と今後、率直に意見交換ができる手応えを感じた」と語った。(2020/09/29-21:55)

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