思わぬ効果。「声が大きい」だけの人がオンライン会議を嫌がる訳

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今やミーティングの有力な選択肢の一つとなったオンライン会議ですが、強い拒否反応を示す人間もいるようです。どんなタイプの人が、どのような理由でオンラインでのやり取りを嫌うのでしょうか。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』でマンション管理士の廣田信子さんが、事例を上げつつ解説しています。

「声の大きい人」がオンライン会議を嫌がる訳は…

こんにちは!廣田信子です。

今後、企業が生き残るためには、リアルからオンラインへのシフトが何より重要だと言われます。コロナ禍以前から言われていたことですが、コロナ禍でそれが加速しました。

同時に、ビジネスの世界では、今までリアルでやっていたことを、単純にオンライン化するだけではうまくいかないと言います。コロナ禍で、リアルがだめだから、仕方がなくその代わりにオンラインで同じことをしている…というのでは通用しないというのです。

例えば、個別に面談で営業していたやり方を、そのままオンラインで行っても思ったようにうまくいかないのです。なぜなら、リアルとオンラインではお客が購入する時の決め手が大きく違うからだと言います。

ある調査によると、「オンラインで商談した場合」と「リアルで商談した場合」では、成約するときに伝えていた情報量に大きな違いがあるとわかりました。オンラインの場合、成功した商談は失敗した商談の「7倍」情報量が多かったのに対して、リアルの場合は、成功した商談は失敗した商談の「6分の1」しか情報量を伝えていなかったというのです。何だか不思議な数字ですね。

つまり、オンラインの場合は、データや証拠など情報が多いほど売れて、リアルの場合は、情報より、その場の雰囲気や営業マンの人柄で売れるということです。だから、リアルの方法をそのままオンラインに持ち込んでも売れないケースが多いというのです。

この話を聞いて、私は、なるほど…と思いました。

管理組合でもオンライン導入が進みつつあります。管理組合の会議は、モノを売るわけでも、商談を成功させるわけもないけど、主張を相手に認めさせることができるか…という点は共通していて、そのために効果がある手法が、リアルとオンラインでは違う…というところは同じなんだろうと思いました。

オンライン会議を経験して、強い拒否反応を示す方がいます。その拒否反応の理由の一端が論理的にわかる気がしました。リアルでは、「声の大きい人」に引きずられるということがよく起こります。「声の大きい人」、すなわち、高圧的な言い方で周りを黙らせるタイプの人は、リアルでは通用したことが、オンラインでは通用せずに調子が狂うのだと思います。

オンラインで理事会に参加した場合は、先日の記事(「オンライン理事会は役員のなり手不足を解決できる?」)で書いたように、声高に意味不明な主張が始まったら、聞かないで席を離れるということが簡単にできてしまいます。同じ空間に拘束して、自分の主張を繰り返すことで、うんざりして周りが黙る…という法則が、オンラインだと通用しないのです。

リアルだと、高圧的な言い方とか、その場の空気に押されて、みんなが黙ってしまうことで、結果、「声の大きい人」の主張が通る…ということが起こってしまいますが、オンラインだとそんなことは起こりません。これでは調子が狂うでしょう。

オンラインでは、きちんと判断の材料となる情報を示すことが賛同を得るために重要になってきます。ですから、事前の準備が重要で、資料も示さず、口頭で自己主張するようなことが通りにくくなります。その雰囲気を感じるので、オンラインでは自分の意見が言えないと、反対する方がいるのではないかと思います。直接会っていれば伝えられる「圧」をオンラインで伝えるのは難しいのです。

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