渋沢栄一が指摘。能力がないのに重役の椅子に座る人間3つのタイプ

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経営陣の資質により決まると言っても過言ではない、企業の業績や行く末。中には「なぜこの人がこの地位に?」と首を傾げざるを得ないケースも見られるものです。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、日本資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一氏が書籍に記した「悪い会社幹部の3タイプ」と、「なぜ社を預かる立場にありながら悪事を働く幹部がいるのか」についての渋沢氏の考察を紹介しています。

悪い会社幹部の3タイプ

「日本の資本主義の父」と称される渋沢栄一。昨年2月、2024年度に刷新される新紙幣の1万円札に肖像が描かれるとの発表を受け、再び注目を集めています。

現在発行中の『致知』11月号でも、東洋の古典や人物に造詣の深い田口佳史氏と渋沢栄一の玄孫である渋澤健氏が「渋沢栄一『論語と算盤』に学ぶ大転換期の生き方」をテーマに対談をされ、大きな反響を呼んでいます。

本日は代表的著作『論語と算盤』の中から、その一部をご紹介いたします。

論語と算盤

「適材を適所に使う」というのはなかなか難しいもので、いろいろと見ていると、その手腕がないのに重役になっている人が少なくありません。

ひとつは会社の取締役や監査役といった役職を名乗りたいために、ヒマつぶしのひとつとして重役に名を連ねているタイプ。いわゆる「名ばかり重役」です。

彼らの考えの浅さはどうしようもないものですが、その野心もまた小さいので、とんでもない悪さをするという心配はありません。

二つ目のタイプは、「いい人だが事業経営の手腕がまるでない人」です。

こういう人が重役になると、部下の善し悪しもわからず、帳簿のおかしいところを見抜くこともできない。そうなると、知らず知らずのうちに部下がミスを重ねてしまい、自分で犯した罪でないのに救いようがない窮地に陥っていくことがあります。

これは、さっきのに比べるとやや罪は重い。けれども、一つ目のタイプと同じく重役の地位を利用して故意に悪事をしたわけではないのは明らかです。

続いて第三のタイプは、さっきの二人よりさらに一歩進めて、「会社を利用して、自分が有名になる踏み台にしよう」「私腹を肥やすために法人を利用してやろう」といった考えを持って重役になった人です、こういうのは本当に許しがたい悪事です。

このタイプのやり口は、「株価をつり上げておかないと儲からない」との考えから、架空の利益をでっち上げたり、配当を出すと嘘をついたりといったことです。出してもいない出資金を出したように装って、株主の目をごまかそうとする者もいます、こういうのは完全に詐欺行為です。

彼らの悪事はそれぐらいで収まりません。もっと極端な奴になってくると、会社の金を流用して投機をやったり、自分の事業に使ったりする。ここまできたらもう泥棒と何も変わりません。

さて、結局のところ、こういった悪事というのも、その役職にある人物が道徳に欠けていることから起きる弊害なのです。もしその重役が誠心誠意、その事業に忠実であれば、こんな間違いなどいくらしたくてもできないものです。

image by: 公益財団法人渋沢栄一記念財団 - Home | Facebook

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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