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ニトリの買収報道で島忠株が爆騰。DCMを制し「お値段以上」のM&Aとなるか?

家具日用品大手のニトリホールディングス<9843>が、首都圏を中心にホームセンターを展開する島忠<8184>の買収を検討していることが判明し、大きな話題となっている。

島忠といえば、ホームセンター大手のDCMホールディングス<3050>が完全子会社化を目指して、今月5月からTOBを実施しているところで、島忠はこのTOBに賛同する意向を示していた。

ニトリは21日に「現時点で決定している事実はない」とするいっぽうで、「島忠も含め、M&Aを通じた成長の可能性を日々検討している」とコメント。いっぽうで島忠は「具体的な提案は受領していない」とのコメントを発表している。

今回の報道を受けて島忠株には買いが集中し、一時は前日比14%高の4,780円まで買われるなど高値に。DCMホールディングスが提示していた取得価格(4,200円)を大幅に上回る水準となっている。

島忠<8184> 日足(SBI証券提供)

島忠<8184> 日足(SBI証券提供)

ニトリホールディングス<9843> 日足(SBI証券提供)

ニトリホールディングス<9843> 日足(SBI証券提供)

DCMホールディングス<3050> 日足(SBI証券提供)

DCMホールディングス<3050> 日足(SBI証券提供)

ニトリ買収ならホムセン業界に激震か

近年、再編が続いているホームセンター業界。DCMホールディングスも2006年にカーマ・ダイキ・ホーマックという各ホームセンターが経営統合して生まれ、現在はベイシアグループのカインズと業界売上トップを激しく争っている。そこで業界内では中堅どころの島忠を完全子会社化し、カインズを引き離すかとみられていた。

そこに、ホームセンター業界の外からニトリがまさかの参戦となったわけだが、これは島忠がホームセンターを運営するいっぽう、もともとは箪笥製造所として出発したこともあり、家具やインテリアなどのファニチャー関連にも強いという特色も、大いに関係している模様。さらに島忠は、店舗数こそ60店舗程度にとどまるものの、本店のある埼玉をはじめ東京・神奈川などの都内一円、また大阪・兵庫の関西地区と好立地な店舗が多い。

今回表面化した、島忠を巡ってのニトリとDCMホールディングスの争いだが、どちらが制するのかはまったくもって予測できない。ただ、もしもニトリが買収に成功した場合、他のホームセンターからすれば、かなりの脅威になるのではという見方もある。

ただし利用者視線の意見を見ると、同じ家具を扱う店でもニトリのものと島忠のものでは品質が違いすぎる、といった声も。買収に伴って、島忠の家具売り場が“ニトリ化”されることを危惧する声は結構多い。

このような懸念もあってか、ネットでは「島忠は島忠のままであって欲しい」といった声も改めて多くあがっていた。

島忠にモテキ到来か

ホームセンター業界内の覇権争いに異業種からの殴り込みという、当事者にとっては気が気ではないだろうか、傍から見ている分にはとても興味深い展開になってきた、今回の島忠を巡る争い。ネット上では札幌市に本社を置くニトリと、釧路がルーツのホーマックを擁するDCMとの争いということで、「北海道対決」という形でも話題になっている。

また「島忠モテモテだな」「これはまさに三角関係?」といった声も多くあがり、さらに「これを描いた二次創作が出るのでは」といった展望も。確かに、同じクラスのDCMと転校生のニトリが島忠の奪い合いで対立するも、実はDCMとニトリは同郷だった……という展開は、なんとも出来過ぎな話ではある。

一般的に三角関係といえば醜い修羅場が付き物であるが、2次創作の話の上はともかく、現実上では各会社やその株主、さらに利用者が納得するような形で、話がまとまることを切に祈るばかりである。

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