高まる地元愛。コロナがきっかけで上昇した「おらが街」への愛着

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人と人との直接的なふれあいの機会を奪い去った新型コロナウイルスですが、それはまた人々の心に意外な変化をもたらしてもいるようです。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』ではマンション管理士の廣田信子さんが、「新たな地域のコミュニティが育つ芽」が感じられるというアンケートの結果を紹介しています。

コロナ禍で、自分が暮らす地域への愛着が強まる

こんにちは!廣田信子です。

大東建託株式会社が、新型コロナウイルスによる住まいへの意識変化やテレワーク実施状況等について第2回目となるインターネット調査を行い、その結果を公表しました。

2回目となる「新型コロナウイルスによる意識変化調査」を実施

調査期間は、2020年9月11日(金)~同16日(水)。

調査結果は…

■コロナの全体的な影響に関する認識は、前回6月調査から大きな変化はなく下記の通り。

  1. コロナの収束には数年かかると思う:87.6%(6月:85.3%、以下同じ)
  2. コロナで社会は大きく変わると思う:74.2%(78.1%)
  3. コロナで自分の考えや価値観は大きく変わったと思う:40.9%(39.4%)
  4. コロナで収入が減った:72.8%(74.3%)
  5. コロナで転職・独立しにくくなると思う:73.8%(73.9%)
  6. 家賃は下がると思う:56.2%(55.2%)
  7. 不動産価格は下がると思う:67.6%(69.5%)

■現在のテレワーク実施者は、6月の前回調査から大幅に減少。

  1. 3月以降のテレワーク実施率は26.3%(26.6%)とほとんど変化がない。しかし、「過去6ヶ月でテレワークをしていたが止めた」のは全体の14.6%、テレワーク実施経験者に限れば39.2%、とテレワーク実施は大きく減少。
  2. テレワークを止めたのは公務員が71.4%と非常に高く、自営業・自由業は8%と低い。
  3. テレワーク実施率は従業員1,000人以上:43.3%。本社部門勤務36.5%が突出して高い。

■引っ越し検討が増加し、郊外・地方への引っ越し検討がやや優勢になっている。

  1. コロナをきっかけにした引っ越し検討では、郊外へ:8.9%(5.4%)、都心へ:7.0%(5.3%)といずれも増加。郊外への引っ越し検討がやや優勢。地方へ:8.9%(6.5%)、都会へ:6.7%と、地方への引っ越し検討がやや優勢。
  2. コロナをきっかけとした2拠点居住検討したのは8.4%
  3. 引っ越しを検討したのは、テレワーク実施者がテレワーク非実施者よりも大幅に高い。
  4. 子どもの進学・独立等、ライフスタイルの変化に伴う引っ越し意向69.9%(69.6%)は引っ越しするつもりがないと回答。

■戸建て志向が高まり、街への再評価が進んでいるが、住みたい街への変化は小さい。

  1. 「コロナをきっかけに戸建てが良いと思うようになった」は45.1%だが、「コロナをきっかけにもっと広い家に住みたいと思うようになった」は22.6%程度と多くはない。
  2. 「コロナをきっかけに今住んでいる街が良いと思うようになった」が71.2%と非常に高く、「コロナをきっかけに住みたいと思っていた街が変わった」は12.6%とかなり少ない。

この結果を見て…多くの人が、コロナ禍の収束には数年かかると思っていて、コロナ禍で大きく社会が変わり、自分の収入や価値観にも影響があることを認識していることが数字でよくわかります。

テレワークについては、緊急事態宣言時とその前後では、テレワークの体制がないのに、とにかく、テレワークという名の自宅待機状態がかなりありましたから、それが、今、元に戻ったことで、今はテレワークが減っているということだと思います。国の方針に従う立場の公務員に、今はテレワークをやめている人が多いこともうなずけます。

都心から郊外・地方への引っ越し検討は、増加の傾向が見えますが、まだまだ大きな流れにはなっていないのがわかります。子供の進学等のライフスタイルには変化があまりなく、それが、今の環境を変えないことに繋がっていると感じます。

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