すぐそばにある大自然「綾部トレイル」でトレッキングはいかが?

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2020/10/22

京都府北部の綾部市は豊かな自然に囲まれ、素晴らしい山や森がたくさんある地。なかでもJR綾部駅から車で約30分のところにある上林地区は、里山の風景が残る美しいエリアです。

その山や森の魅力を感じながら歩こうというのが「綾部トレイル」。コースはいくつかあって石仏や道標、行者堂が残る「三郡山」コース、商人や生活者だけでなく巡礼路としても往来の多かった古道「シデ山・大栗峠」コースなど魅惑的なコースがたくさんありますが、今回はそのなかから、国宝の二王門を見たり推定樹齢2000年の大トチを見に行く「君尾山ルート」を歩きます。

マイナスイオン満点の山歩きを楽しむ

クマよけの鈴を装備

スタートは、あやべ温泉から(車はここに置くことができます)。ここで本日のガイド、児玉裕美さんと観光協会の白波瀬聡美さんと待ち合わせ。そして事前にあやべ温泉に予約しておいたお弁当を受け取り、リュックにつめたら出発です!

image by:綾部市観光協会HP

本日のゴールはピークハント(山頂を目指す)ではなく、君尾山の自然を楽しむことと国宝二王門、モミやスギの巨木群や樹齢2000年ともいわれる天然記念物の大トチの木を目指す往復約3時間のトレッキング。メインの大トチの木は森の京都エリアで「天上の木※」に選ばれた巨木なのだとか。いったいどんな木なのかワクワクです。

※単なる木にはない不思議な魅力を持ち、勇気や癒し、感動を与えてくれる木のこと。

しかも今回は単にトレイルコースを歩くだけでなく、児玉さんによる花や鳥などのネイチャーガイドをしていただけるので、とても楽しみにしていました。

とにかく自然が豊かなので駐車場を出て数歩で山の草花を発見。児玉さんのガイドが面白く、なかなか進まない~。

例えば左上から時計回りに、夜明けの星のような黒点があることから名づけられたアケボノソウ、ツリフネソウ、北陸~近畿北部の日本海側に生息するオハラメアザミ。

「これは京都の大原女から名をとったそうですよ」と児玉さん。そしてアケビ!「この辺りは日当たりが悪いから色があまりつかなかったんですね」草花を見て歩くだけでもトレッキングが楽しくなります。


観音霊場めぐりでにぎわった古道を歩く

しばらくすると現れる橋を渡ると一気に山の空気に。あたりは森の湿度と小川のせせらぎでマイナスイオン満点!これはデトックスできそう~。

そして、いよいよ山に入っていく感じが高まってまいります。「ほら、今、空でギャーギャーと鳴いているのはカケスですよ」と児玉さん。こんな鳴き声なんだ…と思っていたら遠くでシカのピーという鳴き声が!!本当に自然が豊かだなあ。

ところで今、歩いているのは君尾山の登山道かと思ったらそうではなく「光明寺の古い参道なんですよ」と児玉さん。

江戸時代、京都府と兵庫県にまたがる旧丹波国の観音霊場をめぐる「丹波国三十三観音霊めぐり」が流行り、多くの人がこの道を通ったのだとか。昭和50年代にあやべ温泉ができて車道が通るまで光明寺を参拝するにはこの道を上っていたのだそうです。

しばらく歩くと児玉さんが倒木を指さし「これは白キクラゲですよ」。え、こんなにドロッとしているの?びっくり。「倒木は歩くときに邪魔だけれど、こうしてキノコが生えたりして自然が循環していくので良いものなんですよね」。

「これ、なんだかわかります?」

あ、これは知っています!七輪の上に置いて味噌を焼く、あの葉っぱですよね。この葉の上で焼いた味噌は香りがよくてお酒によく合うんですよね~。あと、熱々の白ご飯にもぴったり(うっとり)。

「そうそう、棒葉(ほうば)味噌で知られる棒葉です。木の葉はツルツルしていて水ハケが良いので昔からお皿替わりにしたんです。昔は田植えのときに棒葉でおにぎりを包んでもっていったそうですよ」

へー、そんな風にも使っていたんですね!面白いなあ。

冷温帯と暖温帯、中間温帯の木が同時にみられる森

児玉さんが触っているのがアベマキ

上り坂もひと段落。高いところに上がってまいりました。

「右と左の木の違い、分かりますか?」

一見、どちらも同じ木に見えますが…。

「右はポピュラーな形のドングリができるコナラ。昔から薪や炭として活用してきた木ですね。左はアベマキ。樹皮を触ってみてください」

あ、柔らかい!

「戦時中に海外からコルクが入ってこなくなったとき、樹皮を粉末にして固めてコルクの代わりにして水筒の栓など使ったそうですよ」

確かに柔らかいけれど、よくこの木で代用できるなんて気が付いたものだなあ。

児玉さんによると、この山の魅力は冷温帯に見られるブナと暖温帯に見られるカシの仲間、そして中間温帯のモミの木が苦労せずに同時に見られるところなのだとか。しかも低い標高でブナの木が見られるのは珍しいそうで「植生的にも面白いんです」。

木のことを教えていただいたので面白くて上を見ながら歩いていると、児玉さんが地面を指し「ここだけ掃いたように枯れ葉がないでしょ。なんでだと思います?」

うーん、モグラの仕業?なんだろう…。

「ここは鹿が寝床にした跡です。地面を伝って物音や振動がすぐに感じられるように地面に直にお腹を付けて寝るんですよ」

鹿ってこうやって寝るんですね。

あら、このぼこぼこした木はなんでしょう?

「これはカラスザンショウですね。若いときは木肌がトゲトゲしているのですが、年を取るにつれて丸味おびてきます」

あら、なんだか人間みたい。

「アゲハ蝶の仲間がこの花の蜜が好きなんですよね。そうそう、ハチミツにするとスパイシーで美味しいのだそうですよ」

スパイシーな蜂蜜! 食べてみたい~。

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