ファミレス内に空揚げ店 外食、2業態同居が拡大

2020.10.27
0
by 時事通信


ファミリーレストラン「ガスト」に併設された空揚げ専門店「から好し」の看板と商品=15日、東京都杉並区

ファミリーレストラン「ガスト」に併設された空揚げ専門店「から好し」の看板と商品=15日、東京都杉並区

 外食業界で、もともとある店舗の中にグループの別業態の店を同居させる動きが広がっている。新型コロナウイルス感染拡大の影響で収益が悪化しているため、設備投資費用を抑えつつ、店舗の魅力を高めて巻き返しを狙う。すかいらーくホールディングス(HD)はファミリーレストラン内に鶏の空揚げ専門店を併設。利用客は店内で2種類の店のメニューを一度に楽しめる利点がある。
 調査会社の富士経済によると、2020年の外食の市場規模は前年比16.5%減の28兆5965億円と落ち込む見通しだ。
 すかいらーくHDは主力のファミレス「ガスト」の店内に空揚げ専門店「から好し」を入れる取り組みを今月、本格化させた。「店内でガストのメニューに加え、本格的な空揚げも楽しめると好評」(広報)だ。巣ごもり需要で、から好しの持ち帰りの売れ行きも好調。同社は全国のガスト店舗網を生かし、現在約100店の併設店を21年3月までに1100店超に増やす。
 居酒屋は宴会の需要が激減し、大きな打撃を受けている。居酒屋「塚田農場」などを運営するは宴会席を改装。和食・洋食・中国料理をそろえ、宅配・持ち帰りに特化した新業態「キッチンクラウド」の併設を今月から本格的に始めた。来店客には店で居酒屋メニューを楽しんでもらい、宅配や持ち帰りでさまざまな料理を家で味わってもらいたい考え。米山久社長は「地域密着で固定客を獲得したい」と意気込む。
 時間帯によって異なる業態で営業する取り組みも進む。は今月から居酒屋「土間土間」の東京都と神奈川県の計2店舗で、昼食帯はハンバーグとトンカツの「キッチンドマーニ」として開店。深夜帯の売り上げ減を補いたい考えだ。(2020/10/27-07:05)

print

人気のオススメ記事