こんな人は経営者の「器」じゃない。経営学者が指摘する特徴5つ

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どんなに資金が豊富でも、経営者のリーダーたる素質が優れていなければ企業の成功は望めません。では、経営者には具体的にどのような資質が求められるのでしょうか。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では著者で経営コンサルタントの梅本泰則さんが、良い経営者の3つの特徴と経営に向かない人の5つの特性を紹介しています。

経営者の器

経営者とは何か、リーダーとは何かということをあらためて考えています。

組織がうまく活動するには、経営者やリーダーの能力によるところが大きいです。今まで多くの経営者やリーダーと付き合ってきましたが、「すごい」と思わせる方はそれほど多くはありません。

今回は経営者の器について考えてみます。

リーダーのあり方

ある会議に出席したときのことです。その席で、リーダーのあり方を考えさせられました。会議が紛糾してしまったのです。組織のトップが決めた方針に異論が出てしまいました。トップは、異論に対して納得のできる回答が出来ません。次々と質問が出ます。これにもトップは返答に窮する場面が。大変な会議になりました。数時間の議論のすえ、結局結論は次回に持ち越しです。この会議を通じて、トップへの信頼がゆらいでしまいました。

本当に組織のリーダーは大変です。おそらく、このトップは自分の提案に異論が出るとは思っていなかったのでしょう。自分の考えや方針が正しいと思っていますから。もちろん、リーダーには大きな方針を決める役割があります。しかし、細かい部分については現場の意見が大切です。事前に他のメンバーとの意見のすり合わせが出来ていないようでした。これが会議の紛糾した原因です。

さらにいえば、決めた方針に対してうまく理由が説明できません。こうなると致命的です。他のメンバーに納得してもらえません。納得して動いてもらうのもリーダーの役目です。この会議を通じて、ついつい「経営者の器」について考えてしまいました。

経営者の役割

それに関して、参考となる良書があります。経営学者の伊丹敬之教授による『よき経営者の姿』です。そこで、この本に書かれている「良い経営者」と「悪い経営者」を紹介することにします。

伊丹教授によれば、経営の本質は「他人を通して事をなすこと」です。そうですね。経営者は、自分ひとりで経営が出来るわけではありません。ですから、自分が望ましいと思うことを他人にしてもらう必要があります。そして、そのためにも経営者には3つの役割があるとのこと。それは、

  • 組織の求心力の中心になる「リーダー」としての役割
  • 企業を取り巻く市場や社会に対する「代表者」の役割
  • 戦略や組織など大きな枠組みを示す「設計者」の役割

です。これら3つの役割はどれも大切ですが、今回例に挙げた会議のトップの問題は、「リーダー」としての役割でしょう。リーダーは、人間の集団を引っ張る人です。そのためには、人がついてこなければなりません。そして、人がついて行くリーダーの要素は「人格的な魅力」と、信頼感につながる「ぶれない決断力」だと伊丹教授は言われます。今回の会議が紛糾した原因もここにあるようです。

また、「信頼は人を信じるところから始まる」ともおっしゃっています。トップが信頼されていないとしたら、それはトップが他のメンバーを信じていないからかもしれません。では、信頼に足る「良い経営者」は、どんな資質を持っているのでしょうか。

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