コンビニの逆を行く。大阪・京橋のパン屋が24時間営業を続ける理由

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そのお店を支えているのは、「お客様のことをとことん考える」という姿勢でした。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』で繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが取り上げているのは、大阪京橋の商店街で24時間営業を続けるとあるパン屋さん。佐藤さんは同店が朝から夕方までの営業時間を終日とした理由や、地域住民のすべての層に喜ばれるようにと今も続けている努力を詳しく紹介しています。

大阪・京橋のパン屋は、なぜ24時間営業を続けるのか?

大阪・京橋の商店街に、24時間営業のパン屋さんがあります。パン屋さんという業種で、24時間営業は極めて珍しいと言えます。パンの仕込みや焼きに時間が掛かるので、少なくとも、開店前の数時間はお店を閉めているものです。

では、なぜ24時間営業なのでしょうか。それは、京橋という土地柄が関係しています。ビジネス街である一方で、繁華街でもあり、住宅街でもあります。すなわち、さまざまな“人種”が集まって来る、賑やかな街なのです。

朝、昼、晩、深夜。常に人の動きがあり、静けさとは無縁な場所だと言えます。そんな場所にパン屋さんがオープンしたら、どうなるのか。

このパン屋さんも、当初は他と同じく、朝から夕方までの営業でした。ところが……。ある日、パンの仕込みのために、シャッターを半分だけ開けて、中で作業をしていると、勝手にシャッターを開けて、中に入って来る人がいました。

「もう、買える?」

開店時間には早過ぎるのに、中に人のいるのがわかると、買えるかもしれないと、声を掛けてみるのです。これは、関西人特有の図々しさかもしれません。こんなことが何度かあり、営業時間を早めてみたのです。

すると、早朝でもたくさんのお客さまがやって来ることがわかりました。早起きの高齢者が、朝食用に買いに来たりするのです。また別の日には、閉店間近に駆け込む人がいて、開いていたことを喜んでくれました。

すると、同じような人が多いことにも気づいたのです。そこで、閉店時間を延長してみました。閉店時間を遅くすると、さらに遅くてもお客さまがいることがわかりました。近くに飲み屋さんが多いので、飲んだ帰りに立ち寄る人がいたのです。買って、その場で食べる人が多いことに驚き、さらに閉店時間を延長。

近辺には、飲み屋さんの他に、風俗店やキャバクラ、大阪では有名なサウナなどがあることから、24時間人がいるのです。24時間人がいるのなら、24時間お店を開けよう、となったのです。“人種”の多さに対応した結果が、24時間営業だったのです。

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