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「夢は叶う」が人生を壊す。天職は“あきらめ”の向こう側にある=午堂登紀雄

夢でさえ、あきらめた方がいい場面があります。なぜなら、夢に固執するあまり他の選択肢が見えず、あきらめないことで人生を失うことがあるからです。夢を持つことや夢を追いかけるのが良くないということではなく、夢にがんじがらめにされ、時間やチャンスを失うことが危険なのです。(『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』午堂登紀雄)

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プロフィール:午堂登紀雄(ごどう ときお)
米国公認会計士(CPA)。1971年生まれ、岡山県出身。中央大学経済学部 国際経済学科卒。株式会社エディビジョン代表取締役。一般社団法人 事業創造支援機構代表理事。

夢に固執すると人生を失うこともある

私たちは、いろいろなことをあきらめながら人生を作っています。

夢でさえ、あきらめた方がいい場面があります。なぜなら、夢に固執するあまり他の選択肢が見えず、あきらめないことで人生を失うことがあるからです。

たとえば、特定の進路や職業に就くことを目指して努力するのは当然なことのように感じると思います。

・甲子園出場を夢見て野球の練習に励む
・医者になるために大学の医学部を目指して受験勉強を頑張る
・マスコミ業界に就職したいから、その方面の企業へ就活する

それ自体は自然だし、努力を積み重ねるのも素晴らしいこと。

しかし、いくら練習しても勝てない、レギュラーにすらなれない。何年勉強しても受からない。何社受けても内定がもらえないとしたら、どうすればいいのか。

学生であれば、生活設計や家族をどうするかなどといったことを考える必要がないので、「甲子園には行けなかったけど、仲間と切磋琢磨できて充実していた」という思い出にもなるのでしょう。

しかし、大人になるとそうは言っていられません。

たとえば、弁護士を目指して何年も受験勉強に費やし、気がついたら40代になっていた。一度も働いたことがないから、何ら職業的な経験もスキルも身についていない。実務経験がなく市場価値はほぼゼロ。今さらどこかに就職しようとしても、この年齢で未経験な人がまともな仕事に就けるのか。ここからどうやって這い上がれば良いというのか……。

執着すると視野が狭くなるというのはまさにこのことで、世の中には3万種類を超える職業があるにも関わらず、その夢にこだわるあまり、ほかの選択肢が見えなくなるわけです。

世界に異性は35億人もいるのに、不倫相手に執着すれば婚期や出産適齢期を逃してしまうようなものです。

あるいは学生であっても、第一志望の大学に受からなかったからと劣等感でクサったり、何年も浪人したけれども受からず自暴自棄になる、という人の話も耳にします。

「〇〇大学に進学することがすべて」みたいにひとつの視点、ひとつの視座しか持っていないと、世界はとても狭くなります。ずっとコンプレックスを引きずることになります。

それで自分の人生が明るいものに思えなければ、その夢はむしろ害悪でしかないでしょう。

夢を持つことや夢を追いかけるのが良くないということではなく、夢にがんじがらめにされ、時間やチャンスを失うことが危険なのです。

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