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トレバvsねとらぼ、クレーンゲーム不正を巡り論争も「確率機だし仕様では?」の声

オンラインクレーンゲームでの不正操作の有無などを巡って、告発する記事を出したニュースサイト「ねとらぼ」とオンラインクレーンゲームサイト「トレバ」を運営する「サイバーステップ」の間で、泥沼の闘争となっていることが話題になっている。

きっかけとなったのは、ねとらぼが11月23日に公開した「オンラインクレーンゲーム「トレバ」、景品獲得されそうになると“スタッフが裏操作”していたと発覚 被害者と運営会社を取材」という記事。「トレバ被害者の会」のメンバーなど複数のプレイヤーに接触して判明した不正操作などの疑惑に関して、サイバーステップに取材をしたところ、先方はそれを認めたと伝えている。

この記事が影響したのか、3連休明け24日の東京株式市場ではサイバーステップ株がストップ安に。同日サイバーステップ側は「アイティメディア株式会社及びメディア各社の記事に関する当社の見解」というリリースを発表し、ねとらぼの記事に対しての見解を述べるとともに、「メディアとしての倫理にもとる不公正な記事の掲載がなされた」などという強い口調で当該記事を非難した。

それを受けてねとらぼもすぐさま反論記事を公開し、「『倫理にもとる不公正な記事』『明らかに客観的事実に反する記事』という指摘については、到底受け入れることができません」と反論するなど、激しい応酬が続く形となっている。

サイバーステップはねとらぼの指摘を一部認めるも…

今回取沙汰されているトレバだが、これはゲームセンターなどでお馴染みのクレーンゲームの実機を、カメラなどを使ってオンライン上で遠隔操作して景品ゲットを狙うというサービス。ゲットした景品は、後日プレイヤーの元に配送されるというシステムだ。

今では多くの企業が参入しているオンラインクレーンゲームだが、なかでも「トレバ」はその先駆け的存在であり、最近ではお笑い芸人の鉄拳さんを起用したテレビCMを打つなど、ユーザーからの知名度は高い。昨今のコロナ禍においても、売上にはあまり影響はないようで、先月発表された2021年5月期の第1四半期(6~8月)の連結決算によると、売上高は33億2700万円(前年同期比7.6%増)と堅調に推移している。

そんななか表面化した今回の問題。ねとらぼ側は記事のなかで「プレイ継続中に台の設定がプレイヤーの不利になるように再設定された」「そもそも景品が物理的に取得困難な状態になっていた」「景品の大幅な発送遅延、景品の間違えが発生している」といった点を主な問題点として挙げている。

それに対しサイバーステップ側は、台の設定変更に関しては実際にあったと認めながら、あくまで操作ミスで起きた事象とし、記事はそれを意図的・悪意をもって恒常的・組織的に行っているかのように記述されたと非難。また配送遅延に関しては、利用代金を返金することをもって既に合意・和解したとし、それにも関わらず記事では「トレバから現金での補償を勝ち取ったこともある」と、事実が歪曲されて掲載されたとしている。

要はねとらぼ側の指摘に関して、サイバーステップは程度の差はあれどおおむね認める格好となっている。ただサイバーステップは、そのことを意図的・組織的なものだとする記事の論調に対しては、かなり不満を持っている模様で、リリースにある「法的措置を執ることも辞さない覚悟」との文言が、その憤りのほどを物語っている。

改めて取沙汰される「確率機」の存在

今回のねとらぼとサイバーステップによる泥沼の闘争に対して、ネット上では様々な声があがっているが、オンラインもしくはリアルを問わず日頃からクレーンゲームをよくプレイする層から多くあがっているのが、「確率機」にまつわる話題だ。

世にあるクレーンゲームは「実力機」と「確率機」、この2種類に分けられるとされる。後者の「確率機」とは、機械に投入されたお金の合計額が店が設定した一定額を上回ると、アームの掴む力が強くなるなどして景品が取りやすくなる筐体のこと。逆に「実力機」は、お金の投入額等に関わらずアームの力が一定の筐体を指す。

投入金額によってアームの力が変わる確率機はインチキではないのか、という声もあるが、逆にクレーンゲームの操作が下手な方でも、一定額を連続してつぎ込めさえすれば、景品ゲットの可能性がかなり高まるというメリットもある模様だ。とはいえ、クレーンゲーム自体に確率機か実力機かを表示するものがあるわけではない。

これを踏まえ、今回の件で取沙汰された「プレイ中に台の設定が変わった」という問題点に対しは、クレーンゲームのファンから「それが仕様なのだから仕方ない」といった声があがる。

さらに、ゲームセンターにあるリアルなクレーンゲームでも、最近は確率機だらけだという指摘も。それなのに、ましてやオンライン上なんて……といった意見もあった。

一定金額の設定は店次第ということで、青天井な価格設定をした場合などはアウトのようだが、その存在自体を詐欺などで取り締まることは難しいとされる確率機。ただ、今回のねとらぼとサイバーステップとの論争が長引き、あるいは法廷闘争にまで発展するなどして注目度がさらに高まれば、論争はこのグレーゾーンの状態で存続している確率機の是非にまで広がる可能性も。クレーンゲームファンにとっては、今後の事態の推移は見逃せないところだろう。

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