新型コロナ感染の再拡大を受けて、東京都は酒などを提供する飲食店などに対して、営業時間を午後10時までとするように要請。その時期が忘年会シーズン真っただ中ということで、飲食店からは断末魔の叫びがあがっている。
今回、時短要請の対象となるのは23区と多摩地域の市にある店舗で、期間は今月28日から12月17日までの20日間。時短要請に応じた店には1日2万円、最大で40万円の協力金を支給する。
また26日には、名古屋市中区の繁華街を対象とした同様の時短要請が愛知県から発表された。こちらは今月29日から12月18日までの20日間、営業時間を午後9時まで短縮するよう要請するという。
死んだな。忘年会。
これから大量に閉店倒産する。— 投資信託 (@terukitasako) November 25, 2020
今年1年間取りこぼした分を12月の忘年会で回収して状況見て年内撤退、の絵図を描いてた飲食店はたくさんあると思う。実際我々の店舗も過去「1年の売上の約20%」を12月に依存してた時期があった。
そんな繁忙期に営業自粛、時短営業。仕方ないとはいえしんどいなぁ…。
年明け撤退が続出するぞ…。— 大阪北堀江 “Partyup!Wedding produce” 山田大祐 (@Daisuke50703270) November 25, 2020
会社近くの居酒屋、忘年会歓迎というポスターを貼ったまま、閉店のお知らせが貼られてたよ。。 https://t.co/w2fA09jGV7
— rionaoki (@rionaoki) November 25, 2020
ネット上では、この時短要請は飲食店にとって大きなダメージとなると危惧する声が。特に今年に限らず、書き入れ時である忘年会シーズンの売上を当て込んでいる飲食店にとっては、今回のタイミングでの時短要請は致命的だろうという意見が大勢を占める。なかには、そんな年末シーズンに賭けることも叶わず閉店となってしまった店もあるようだ。
表面化する「忘年会嫌い」の風潮
アテにしていた年末商戦にも水を差されて、飲食店にとっては今年はまさに受難の一年となったわけだが、今後の商売を考える上でさらに心配なのが、昨今の「忘年会キャンセル」の流れに対して、喜びの声をあげる人が想像以上に多いという事実ではないだろうか。
朗報です、聞いてください。
今年の会社の忘年会、そして年明けの新年会はコロナのため中止になるらしい。\\\やったぁぁぁぁ!!!!!///
— ୨୧りなりる୨୧ (@hanatoyume410) November 26, 2020
そういえば弊社も忘年会新年会が中止になりました、個人的にはとても嬉しい
— けみてつ (@kemi_kiha) November 26, 2020
嫌な上司や仲の良くない同僚と仕事以外で顔を突き合わせるのが苦痛といったものから、アルコールが弱いから酒席はつまらない、単に時間の無駄だ、なかには会社の忘年会なのに自腹参加を強いられるといったとんでもないものまで、理由は様々な「忘年会嫌い」という層。
忘年会キャンセル相次ぐと言うが、このご時世でまだ忘年会をやる予定だったブラック企業があることに驚きを隠せない
— 八王子のマスターR (@konomichi_kai) November 25, 2020
「このご時世でまだ忘年会をやる予定だったブラック企業があることに驚きを隠せない」といったツイートに対して、多くの賛同の声が集まるなど、「忘年会嫌い」の数は相当数にのぼることが、昨今のネット上の反応を見るとよくわかる。
逆にこれだけコロナが盛り上がってきたからには絶対会社の忘年会ないよね
このまま会社の忘年会文化滅んでほしい
でもそうなると飲食店は苦しいだろうなぁと思うとこれまた複雑— 光属性のペ ッ シ (@mammonepesci) November 20, 2020
『クラスター』という言葉が定着してしまったのは痛いな💧
もしかしたら未来永劫『忘年会』文化は無くなってしまうかもしれない。
個人的にはOKだが、飲食店側は大打撃だ。
— Dr【内科医】 (@Drfm11) November 24, 2020
なかには今年のコロナ化での忘年会中止の流れが契機に、「忘年会文化」自体が無くなる方向へ向かうのでは、あるいは無くなってもOKといった意見も。コロナ禍の今年はともかく来年以降もそういった流れが続くとなれば、飲食店にとっては打撃どころの話ではないだろう。
再び息を吹き返す「自粛警察」
このように、多くの飲食店が今後の展望がまったく見通せないなか、今回の時短要請は無視するところが多いのではといった声も一部ではあがっている。
ある夜型飲食店のオーナーさんは、時短要請がでても無視するとハッキリ言っていた。12月に30万円(月額)もらって時短営業では店が潰れると。もしかするとそういうお店は相当多いのかもしれない。
— ひろいし (@hiroaisi) November 18, 2020
東京の話だけど、前回の時短要請の時そんなもん完全無視!の姿勢で朝まで強気に営業したラーメン居酒屋があった。周りが開いてないからそこに人が集まって、結果ものすごい売り上げで一人勝ちしてた。知り合いの店は要請に従った後、力尽き、閉店した。
正しさってなんだろう
https://t.co/KwvPVQD5DJ— 真登JAP (@Menya_Masato) November 26, 2020
先の時短要請の際には、それを無視して店を開いたところが大繁盛し、要請に従った店は閉店の憂き目に……といったケースもあったようで、感染拡大防止の重要性は重々承知の上で、とはいえ最早背に腹はかえられない状況だといったところだろうか。
ただ、時短要請を無視して営業を続けたとして、その際に厄介なものとなりそうなのが、いわゆる「自粛警察」の存在だ。
28日からまた自粛警察が動き始めると思うとウンザリだな
— 奈良崎コロスケ (@korosu_k) November 26, 2020
先の自粛期間には、飲食店に数々の嫌がらせを行ったり「火をつけるぞ」と恫喝するなど、歪んだ正義感に駆られて傍若無人の限りを尽くした自粛警察たち。最近は自粛の緩和もあってか鳴りを潜めているが、時短要請というお墨付きを得て、再びその活動がアクティブになることを懸念する声も多い。
酒類を提供する飲食店とカラオケ店に
3度目の営業時間短縮要請か前回の時以上に閉店に追い込まれる店が増えそうだな
要請だから必ずしも従う必要は無いんだろうがそうなると自粛警察が煩いからなぁ
— まーくん (@mcz_kanako_love) November 25, 2020
強制力のない『緊急事態宣言』にどこまで意味があるのか…とは思うよなぁ…。
従わないお店を『正義感に燃える自粛警察』達が袋叩きにする可能性は小さくないだろうけれど…。— バグ (@Bug1978) November 26, 2020
今回の時短要請にくわえて、ここに来て一気に表面化した「忘年会嫌い」の風潮。そしてうっとおしい「自粛警察」の存在と、飲食店にとってはこの年末は対応に苦慮する日々が続きそうだ。
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