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なぜ真逆の動き?退職4倍増の若手官僚と、49.6%が公務員を目指す大学生=鈴木傾城

20代の国家公務員総合職の退職者数は、6年前の21人から「4倍超の増加」となっている。一方、大学生の49.6%が公務員になりたいというデータもある。エリートの若手と一般の若手は真逆の動きをしているのだが、どちらも「こんな国では先が見えている」という意識が根底にあるのだとすると、これは恐ろしいことでもある。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)

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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フルインベスト」を運営している。

若いエリート官僚の退職者、この6年で4倍へ

2020年11月18日、河野太郎国家公務員制度担当相が明らかにしたところによると、20代の国家公務員総合職の退職者数が6年前の21人から「4倍超の増加」となっていることが分かった。

20代の総合職の自己都合退職者数を実際の数字で見てみると、以下の通りとなっている。

2013年度:21人
2014年度:31人
2015年度:34人
2016年度:41人
2017年度:38人
2018年度:64人
2019年度:87人

さらに河野太郎氏がブログで指摘しているのは、国家公務員採用試験の総合職の申込者数も減少していることだ。

河野氏が自身のブログで述べたところによると、『国家公務員採用試験の総合職の申込者数はピーク時の1996年に45,254人だったものが2019年は過去最低の20,208人と半数以下になりました』とあり、申込者数も半数以下になっている。
※参考:危機に直面する霞ヶ関 | 衆議院議員 河野太郎公式サイト(2020年11月18日配信)

そして、これ以外にも東大生の官僚離れも進んでいて、2015年度の東大出身の合格者数は459名だったのに、2020年度には249名だった。

エリートたちが国家公務員という職に見切りをつけている

河野太郎国家公務員制度担当相は『危機に直面する霞ヶ関』と述べている通り、ここで取り上げている国家公務員総合職というのは、1府12省庁で働く職員を指しており、すなわち私たちが「官僚」「キャリア」と呼んでいる人たちである。

国家公務員総合職(官僚・キャリア)と言えばエリート中のエリートであり、一般の国民から見ると紛うことなく「上級国民」なのだが、実際のエリートたちは、すでに「中央省庁の国家公務員」という職に見切りをつけている。

30歳未満の国家公務員の中で「辞める準備をしている」「1年以内に辞めたい」「3年程度のうちに辞めたい」とした人が、男性で約15%、女性で約10%であることも分かっているので、仕事に生き甲斐も感じていないのが見える。

Next: 一方、「大学生の49.6%が公務員になりたい」というデータも

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