東京五輪の強行開催は避けられぬ?史上最悪の祭典を楽しむ5つの方法

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東京五輪延期による追加経費がコロナ対策と合わせ約3000億円になるとの試算結果が伝えられました。この数字を受けてどこからも疑問や反対の声が上がらないことに疑念を抱くのは、メルマガ『8人ばなし』著者の山崎勝義さん。今年5月にも「今からでも遅くない。東京オリンピック開催は諦めた方がいい理由」で、五輪のための費用を感染の第n波への備えにすべきと主張していた山崎さんは、現在の感染拡大状況下においても「それでもやっぱりやるなら」と、開催アイデアを披露します。ただし、たった1つの譲れない条件を添えて。

東京五輪、やっぱりやるつもりらしい

どうあってもオリンピックはやるつもりでいるらしい。私はコロナ前から既に反対の立場であったが、今となっては賛成のしようがないくらいに世界はコロナに食い荒らされてしまった。このような無理を通そうとする場合、本来なら国民の信を問うて然るべきとも思うがそれもどうやらなさそうであるし、関係者や専門家の議論も全く表に出て来ない。このままダラダラ進んで行くのでは、と思うと一国民としては実に心細い限りである。

日々試算によって出された数字のみが飛び交ってそれについての賛成論も反対論も聞こえては来ない。この国にまた新しい禁忌が生み出されたみたいである。

因みに最新の試算では、延期に伴う追加経費だけで2000億円、これ以外にコロナ対策費として1000億円が計上されている。合計3000億円という訳だが、公共事業においてこの種の見積もりがその通りになったためしがないから実際のところはその2倍の6000億円か下手をすると3倍の9000億円くらいにはなる可能性もある。

例えばコロナ対策を強化すれば、マスク、ゴーグル、フェイスシールドの着用は当然となる。夏のことなら透明の素材にはスモークが入ることであろう。そうなればセキュリティー対策の難度は一気に上がる。一方の対策を強化すれば、もう一方の対策も強化せざるを得なくなり、それだけますます当初の計算からの誤差が大きくなる。所謂ポジティブフィードバックの状態である。

それでもやっぱりやるつもりらしい。どうしてもそうと言うなら、どういう方策があり得るのか、今回はそうした思考実験をやってみたいと思うのである。

不安だらけの強行開催、どうすれば上手くいく?

まず開会式だが、従来の舞台芸術の延長線上にあるようなライブパフォーマンスではなく、VRやAR、あるいはアニメーション技術を駆使した映像作品の延長線上にあるようなコンテンツとして作り上げるのはどうであろう。監督には新海誠氏あたりが適任であろう。

基本、各競技もこれにならう。つまり、ライブ感よりコンテンツ感である。例えば、テレビ中継はしつつもオンラインではマルチビジョンによる配信を同時に行い、視聴者は応援する自国や他国の選手を中心に映像を追いかけてみたり、スタティスティクス(スタッツ)を横目に見ながら観戦したりする。

乗り物を使う競技においては、選手が認める限りにおいてできるだけオンボードカメラを搭載して迫力のある映像にする。無観客の客席にはバーチャルファンウォールのようなものを作って、時差をも物ともしない世界中のサポーターたちの熱気に満ちた表情をCGで合成して一つの画面を作り上げる。

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