fbpx

イトーヨーカドー改装も客離れ止まらず、デフレ不況で総合スーパー陥落=児島康孝

総合スーパー不振の中、イトーヨーカドーが改装などで売り場の改善を進めています。高く評価できる点もありますが、総合スーパーの位置付けが難しい段階のため、余程の日本経済の復活がない限りまだ厳しいでしょう。(『「ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!」連動メルマガ』児島康孝)

【関連】西友売却は喜べない。ウォルマートは危機的デフレ不況の日本を見限った=児島康孝

有料メルマガ『「ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!」連動メルマガ』好評配信中。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

改装で生まれた変わった東京調布市「国領店」

外壁から内装までフルに改装して生まれ変わった、イトーヨーカドー国領店(東京都調布市国領町)。

京王線と小田急線の間に立地するこの店舗は、周囲にはマンションなどの住宅地が広がっているほか、広い平地の駐車場も備えています。

広い店舗は3階建てで、1階が食品などで、2階・3階は衣料品や家電などを扱っています。

1階の改装では、照明も明るく、綺麗な食品売り場となりました。過度な価格競争よりも、売り場の綺麗さでお客さんを獲得する戦略のようです。

特に改装で評価できるのは、フードコート。従来のフードコートのイメージを一新しました。木目調の色彩で、スタイリッシュな空間に改装されています。電源席の用意もしているようですが、きょう時点(※編注:原稿執筆時点12月2日)では、使用はまだ見送っています。

食品売り場は平日もそこそこ賑わっていて、2階や3階には通路に休憩用の綺麗な椅子も用意されています。

工夫の様子が伺えますが、一方で、なかなか厳しい側面もあります。

総合スーパーへの来店目的が希薄化

イトーヨーカドーも改装で頑張っているのですが、総合スーパー自体が、目新しかった時代とは異なり、来店目的が希薄化しています。

そのため、1階の客層を見ても、高齢者のお客さんの比率が非常に高いです。

つまり、価格競争では、30代や40代のお客さんは「業務スーパー」や「オーケー(スーパー)」に流れます。

また、家の近隣には中規模の「サミット」がある場合が多く、そちらの方が広い総合スーパーよりも買い物がしやすかったりもするのです。

総合スーパーの立ち位置が揺らいでいる

このため、イトーヨーカドーに限らず、総合スーパーは経営の方向付けが難しくなっています。

その傾向が顕著なのは、特に2階と3階です。衣料品や家電などは、専門店にはまったく太刀打ちできません。

総合スーパーの衣料品や家電売場が不振と言われて久しいですが、打開策はまだ確立されていないようです。

Next: 近隣のライバル店に勝てるか?調布市国領の勢力図は

1 2
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー