お洒落なカフェ風の「とんこつラーメン屋」が旨いのに繁盛しないワケ

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見た目と業種のギャップが大きい店舗が話題になることはあるにはありますが、やはりそれは例外に過ぎないようです。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、先日自身が遭遇したというあまりにラーメン屋然としていないチェーン店を取り上げ、「らしさ」の重要性を説いています。

お店には、“それらしさ”が必要!

あるラーメン屋さんに入りました。長浜ラーメンのチェーン店のようです。私は、とんこつ味にそれほど執着がないので、他にお店がないし、まあ、いいか、で入ったのです。味もあまり期待していませんでした。

ところが、スープを口に入れて、驚くこととなります。

かなり濃厚な味わいなのですが、とんこつ独特の臭みがまったくなく、まったりとした深いコクがあるのです。どうして、いままでこのお店に来なかったのか、と後悔したほどです。

さて、ここからが本題。どうして、私はいままでこのお店に入らなかったのでしょうか?

“とんこつ”だということももちろんありますが、「お店の外観」で、なんとなく判断していたのです。建物は、ベージュの土壁。屋根には、茅葺きのような演出。ところどころ竹をあしらっています。メニューを一品ずつ、演芸場のような大きな看板に記入し、壁に掛けています。この看板が無ければ、アジアン風のカフェのようです。そう、ラーメン屋さんに見えないのです。

看板でわかるのですが、「お洒落」を演出しすぎて、“いかにもチェーン店”であることがわかってしまうのです。個人がここまではやらないし、お金が掛かるのでできません。私は、何度もこの前を通っていましたが、興味を持てなかったのです。“ラーメン屋さんらしくない”からです。

身近で流行っているラーメン屋さんを思い浮かべてください。お洒落なお店が浮かぶでしょうか。中には例外もあるでしょうが、そのほとんどは特に特徴も無い、普通の造りのはずです。“汚ったねぇ~”と思えるお店もあったりします。でも、流行っています。それは、“ラーメン屋さんらしさ”ということで、世の中に認知されているからです。どこからどう見てもラーメン屋さん。こういうお店の方が、入りやすいのです。

“らしさ”の中で、差別化を図る必要があるのです。ブティックのような魚屋さんがあっても、誰も入りません。カフェのようなそば屋さん。日本建築のケーキ屋さん。どう考えても、無理があります。

このラーメン屋さんは、内装もカフェ風です。美味しいのに、実にもったいない。場所も幹線沿いで、まわりに商業施設が集まり、駐車場も広く、入りやすい優れた立地です。お昼時に入ったのですが、ほぼ満席でした。しかし、味の良さから考えると、多少の行列ができていてもおかしくないお店です。なのに、行列が無いのは、お店の造りの問題だと言えます。ジワジワとお客さまは増えるかもしれませんが、顧客拡大のスピードが鈍いのは、大きな損失です。

あなたのお店は“らしい”でしょうか?

image by: Everything is stock / Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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