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終身保険は安さで選べ。解約返戻金への期待は無意味、資産形成に使えぬ訳=奥田雅也

終身保険を資産形成に活用するという考え方もありますが、私はナンセンスだと思います。あくまでも「一生涯を保障する保険」と認識して掛け金を安く抑えるべきでしょう。(『奥田雅也の「無料メルマガでは書けない法人保険営業ネタ」』奥田雅也)

※本記事は有料メルマガ『奥田雅也の「無料メルマガでは書けない法人保険営業ネタ」』2020年7月29日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:奥田雅也(おくだ まさや)
事業(医業)経営に関する生命保険・損害保険活用術に精通し、過去20数年間で保険提案した法人数は2,500社以上。現在は大阪を拠点として保険代理店経営・保険営業を行うかたわら、年間60回程度の講演や、業界紙・本などの執筆、コンサルティング業務を展開中。著書に『ここから始めるドクターマーケット入門』(新日本保険新聞社)『法人保険販売の基礎』(電子版・保険社)など。

終身保険の弱点は?

最近、終身保険についていろいろと考えております。特に外貨建て終身保険を販売したい某社さんからの依頼をきっかけに、結構真剣に考えております。

当然ながら終身保険なので、一生涯の保障が確保できる保険です。人は必ず死にますから、そういう意味では、保険契約が継続している限りにおいては、いつかは必ず受け取れる保険です。

人はいつ死ぬか分からない。なので、一生涯の保障を確保するという観点では、終身保険は優れていると思います。

しかし、終身保険でネックになるのは「保険料水準」と「解約返戻金」です。

終身保障ですから、一定期間だけを保障する定期保険と比較すると、当然、保険料は高くなります。ただ、保険料払込期間を終身払いにすれば、保険料は変わらず一生の保障が得られますので、年齢帯や相続発生年齢によっては有利になるケースもあります。

次に、解約返戻金です。長期間に渡って死亡保障が得られるので、保険料を平準化する以上、保険会社側は将来の危険保険料として一定割合で責任準備金(保険会社が将来の保険金・返戻金の支払いに充てるための準備金)の積立が必要になります。

そのため中途解約時には解約返戻金が発生しますが、保険金を活用したい場合には解約返戻金は使えず、逆に解約返戻金を使いたい場合には保険金が減る(または無くなる)ということが、当たり前ですが発生します。

保険料と解約返戻金、どちらかしか受け取れない

これらのことを踏まえますと、終身保険の弱点は、保険料と解約返戻金の両取りができない(どちらかしか受け取れない)という点です。

かといって定期保険にすると、保障は一定期間で終了するという問題点が生じます。

ですが、例えば100歳や99歳の長期平準定期であれば、保険会社によっては期間短縮で責任準備金を引き出すことが可能なので、上手く活用できれば、保険金と解約返戻金の両取りができてしまいます。

ただ当然、100歳や99歳で保障が終わってしまうという弱点があります。

掛け金を安く抑え、解約返戻金は考えないこと

こうやっていろいろと考えていくと、今の私が出している結論は、「終身保険は一生涯の保障が確保できるという点では最強なので、解約返戻金を期待せずに、最安値で保障を確保する手段にすべき」ということです。

ですので、当然ながら保険料払込期間は終身または90歳満了という超長期にして、掛金を抑えておくのが良いのでは?と思っています。

Next: 終身保険での資産形成はナンセンス

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