「はやぶさ2」が持ち帰ったカプセルの中には、小惑星リュウグウのサンプルが「どっさり」5.4グラムも入っていたそうです。はやぶさ2の帰還に始まり、南米での皆既日食や毎年恒例のふたご座流星群など、宇宙がらみの話題が続いています。そしていま、恐ろしい天体ショーが迫っているのかもしれないのです。メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』著者で国際政治経済学者の浜田和幸さんが、クリスマス前後に超接近する小惑星が3つもあると警告。私たちは「地球を助けて」と星に願いをかけたほうがいいのでしょうか。
今年のクリスマス、地球に急接近する小惑星と流星群
ぶっちゃけ、新型コロナウィルスで持ち切りの日本では誰も地球の近未来に思いを馳せていないようだ。もちろん、小惑星探査機「はやぶさ2」が6年をかけ、惑星「リュウグウ」から“黒い砂粒”を持ち帰ったミッションの成功は快挙に違いない。
これから宇宙航空研究開発機構(JAXA)は半年をかけ、この砂粒を徹底的に研究し、太陽系の歴史や生命の起源の手がかりを得ることにエネルギーを傾注するという。その日本発の研究成果に期待したいものだ。
しかし、その間、地球にはかつてない大きな脅威が迫っていることにも目を向ける必要があるだろう。何かと言えば、地球に向けて毎秒10キロの猛スピードで接近しつつある小惑星のことである。
発見されたのは2014年9月のこと。そこで「2014SD224」と命名された。問題は、その惑星の軌道が地球とダブっていることだ。光の具合によって直径の大きさは92メートルから210メートルと変化している。
アメリカの航空宇宙局(NASA)の「地球接近物体研究センター」によれば、「この惑星が地球に最も接近するのは来る12月25日の夜」という。果たして、今年のクリスマスは小惑星が地球に追突する衝撃の日となるのだろうか。
NASAは警告を発してはいるが、「過度の心配は無用。地球に衝突すると決まったわけではない」と、パニックを起こさないように呼びかけている。「地球からは300万キロ離れた軌道を通過するはずだ」とも説明。その一方で、「潜在的には大きな被害をもたらす可能性も否定はできない」と付け加えている。杞憂で終わることを念じざるを得ない。
今年は異常なほど多くの宇宙からの物体が地球に降り注いでいるようだ。実は、今年のクリスマスイブには「2014SD224」と比べれば小さいが2つの惑星が地球に急接近することが確実視されている。そのうち「2012XE133」と命名されている小惑星は直径120メートルである。
こうした小惑星の相次ぐ地球への異常接近に加えて、去る12月13日には流星雨が観測された。宇宙に思いを馳せ、星に願いをかけるには最高の年かもしれない。
とはいえ、“大きな小惑星”が飛来する今年のクリスマス前後は浮かれているわけにはいかないだろう。地球と人類の安全を祈りつつ、夜空にしっかりと目を向けよう。
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