スマホ「コロナ禍割」導入も?武田総務大臣“値下げ圧力”の行方

shutterstock_1216254955
 

NTTドコモがオンライン手続き限定の20ギガ2980円というプランに続き、既存のプランを1000円値下げすると発表しました。この新プランについて、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんは、かなり思い切ったものでわかりやすいと、自身のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』で評価。4割値下げには到達していないものの総務省に根回し済みのはずで、さらなる値下げ余地があるとすれば、武田総務大臣がNHKに要求している「コロナ禍割」ような時限的なものになるだろうと伝えています。

NTTドコモが既存プランを1000円値下げ。武田総務相は満足してくれるのか

NTTドコモが既存プランの値下げに踏み切った。5Gギガホで1000円値下げというのはかなり思い切ったのではないか。NTTドコモでは来年3月末までに5Gスマホの契約目標を250万と設定している。18日に行われた記者説明会によれば5Gギガホの契約は、5Gスマホ契約のうち、4割を占めているという。つまり、来年4月のサービス開始時、5Gギガホプレミア契約になる可能性がある人が100万件、存在するというわけだ。

実際、ユーザー自身が料金プランを切り替える必要があるので、すべての人が対象にはならないだろうが、仮に100万人すべてが5Gギガホプレミアに切り替えたら、月1000円の100万人分ということで、毎月10億円の収入がなくなる計算が成り立つ。

NTTドコモとしては、今回、1000円というとてもわかりやすい数字を出してきたように思う。割引に関しても「みんなドコモ割」「ドコモ光セット割」「dカードお支払割」はすべて継続。これらに手を入れることなく、単に正価から1000円引いてきた。

NTTドコモとしては、昨年春に家族の「シェアパック」から「ギガホ」「ギガライト」に料金プランを切り替えた際に「どれだけ安くなったのはわかりづらい」という声が多かった。料金プランの立て付けが大きく変更となったため、実際、個人がいくら安くなるのか皆目見当がつかなかったのだ。

今回は従来の設計をそのまま残すことで、1000円安くなった点が強調しやすくなった。問題はこれで武田良太総務大臣が許してくれるかどうか、だろう。武田総務相は菅政権発足当初「1割程度じゃ許さん」と発言していた。1000円では1割は超えるものの、4割には到達していないわけで、記者会見で激怒する可能性は考えられる。ただし、NTTドコモも発表前に当然のことながら総務省にお伺いを立てているだろうから、そこまで心配する必要は無いかもしれない。

今週、武田総務相は、NHKの受信料値下げに熱心であった。あるインタビューでは「コロナ禍で国民の家計が苦しい。NHKには常識が無い」と値下げを迫った。ただ付け加える形で「NHKの値下げはコロナ禍の時限的でもいい。コロナが収束したら元に戻すのも結構」と発言している。

確かに武田総務相は、やたらと「コロナ禍だから値下げしろ」と発言している。ならば、キャリア各社も「コロナ禍割」と称して、来年いっぱい大幅な割引を提供しつつ、コロナが一段落したら、とっとと割引をなくしてもいいのではないか。おそらく、そのタイミングであれば、首相は次の人に替わっている可能性もあるし、これ以上、値下げについて、とやかく言われることはないのではないだろうか。

image by:Ned Snowman / Shutterstock.com

石川 温この著者の記事一覧

日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 石川温の「スマホ業界新聞」 』

【著者】 石川 温 【月額】 初月無料!月額550円(税込) 【発行周期】 毎月 第1土曜日・第2土曜日・第3土曜日・第4土曜日(年末年始を除く) 発行予定

print
いま読まれてます

  • スマホ「コロナ禍割」導入も?武田総務大臣“値下げ圧力”の行方
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け