ただの牛じゃないって知ってた?2021年の干支「丑」の意外な深い意味

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2021年の干支(えと)は「丑」(うし)年ですが、「牛」という字は書きません。この「丑」の字が持つ本来の意味について詳しく知っている方はどれくらいいるのでしょうか。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、SBIホールディングス社長CEO・北尾吉孝氏が、「丑」の字が持つ意味を解説するとともに、古くから伝わる「干支」の知恵をビジネスや自分自身に生かす意義について紹介しています。

2021年の干支の意味とは??

お正月を迎えて意識されるのが新年の「干支」。牛(丑)のデザインを様々にあしらった年賀状が届き、「十二支」を身近に感じている方も多いでしょう。

しかし、本来の干支の意味、字の成り立ちに思いを馳せることは意外に少ないのではないでしょうか。

SBIホールディングス社長CEO・北尾吉孝氏に、古代からの知恵と歴史的観察の集積である干支学を活用し、自分や組織の運命を切り拓いていく意義をお話しいただきます。


辛(かのと)

「秋時に万物は成りて熟す」と『説文』にある。説文学的には、一陽が上を干(おか)す形と見て、現状打破、闘争や犠牲をともなう革新の義である。

辛は刑具に用い、切ったり突いたりする鋭い刃物を描いた象形文字です。白川静博士の『字統』によると辛の字は奴隷や罪人に入れ墨をする道具としています。だから、舌を刃物で刺すような、ぴりっとした味のことをこの字を訓読みし「からい」と言うのです。辛酸、辛辣、辛苦という熟語は、以上のような内容の意味合いがあります。

さらに辛は上を表わす二と干と一の会意文字です。干は冒す、一は一陽を表わし、説文学的には、一陽が上を干す形とみる。すなわち、今まで下に伏在していた陽エネルギーが色々な矛盾、抑圧を排除して敢然として上に発現する形であり、前年の庚(かのえ)を次ぐ革新を意味する。その際、後漢の『白虎通義』にあるように、殺傷を生ずることがある。故に『漢書礼楽志』にあるよう斎戒自新を要するものであります。

丑(うし)

「はじめ」と読み、事を始めようとする義がある。また紐に通じ、「結ぶ」という意もある。さらに「やしなう」(畜養)意ともする。出た芽が伸びようと構え養っている様である。

説文字から言うと、母のお腹の中にいた胎児が体外へ出て、右手を伸ばした象形文字です。今まで曲がっていた手を生まれて初めて伸ばし、指先に力を入れて強く物を取るというところから「始める」、「掴む」、「握る」という意味を持っています。

また『漢書律暦志』によると丑は紐の意とされています。この糸偏の紐は「紐は束ぬるなり」、「紐は結なり」と言われ、束ねる、統率する、結ぶといった意味があります。個人であれ組織であれ、生命体、組織体の様々な要素を結びあわせ、結合させ、結束させる意です。

※ 本記事は致知出版社刊『強運をつくる干支の知恵』(北尾吉孝著)に収録内容の一部を抜粋したものです


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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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