緊急事態宣言下、日本の株価が上昇する6つの理由と空売り比率の異常

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新型コロナの感染拡大が止まらず、全国の10を超える都府県で「緊急事態宣言」が出された日本ですが、このところ日経平均株価は終値で2万8千円以上となるなど、株価上昇の傾向にあります。医療の逼迫や経済の大打撃が叫ばれる中、なぜこのような現象が起きているのでしょうか? 今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では著者で日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、アメリカの最新動向と関連付けながら、日本の株価が上昇を続ける「6つの理由」を挙げて分析・解説しています。

コロナで株価上昇の理由は?

NYダウは、2月12日29,568ドルまで上昇が、コロナで3月23日18,591ドルまで急落し、2021年1月8日31,097ドルで最高値更新した。1月11日は89ドル安の31,008ドル、12日は60ドル高の31,068ドル、13日は8ドル安の31,060ドル、14日は68ドル安の30,991ドル、15日は177ドル安の30,814ドル。

1月11日には、トランプ大統領を罷免する決議案が可決されたが、ペンス副大統領が拒否した。このため14日、民主党は弾劾訴追法案を下院で可決した。上院が弾劾裁判を行うことになり、議員の3分の2の罷免賛成が必要であるが、共和党議員の多くは反対すると思われている。しかし、企業は「罷免反対派の共和党議員に献金しない」としたことで情勢は見えなくなっている。現時点で20名の共和党議員が賛成に回るという。

そして1月19日、ワシントンでトランプ支持派が抗議集会を行う計画があり、ワシントンに州兵2万人体制で警備するという。1月20日、バイデン大統領就任式である。その襲撃事件を警戒している。

14日発表した米失業保険統計によると、先々週の新規申請数は96.5万件で、その前の週の改定値から18万1000件急増した。各地でコロナ感染者が急増、拡大抑止のための営業時間制限でレストランやホテルなどで人員解雇が再び増えているようだ。小売売上高も0.7%減となり、15日のNYダウは下落した。

このため、バイデン新大統領は、2兆ドル規模の追加経済対策を行う方向で準備するとしたことで、1人14万円の増加になる。しかし、新しい材料にはならず、材料出尽くしの利益確定売りに押された。

14日、パウエルFRB議長は、プリンストン大学主催の対談で、量的緩和縮小は未だ考えたこともないと否定して、市場を安心させている。

中国の習近平は、アリババのような民間企業の制限を強めている。中国政府を批判したアリババの創業者であるジャク・マー氏の消息が分からなくなっているが、アリババの金融会社であるアントの上場も阻止し、規制を強めるようである。

中国は、民間企業中心のハイテク産業育成から、国有企業中心のハイテク産業にシフトするようであるが、そう簡単に役人根性の国有企業でハイテク産業を生み出せるのか、疑問符がついている。

国有企業である軍事用電子機器から発展したファーウエイなどもあるが、敵国より優れた兵器を必要としているからできたが、軍事的な要請がない新しい産業を起こすには、チャレンジ精神が必要であるが、役人にできるのかという疑問がある。

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