なぜ、牧場運営ノウハウがコロナ禍のスポーツジムに活かせるのか

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新型コロナウイルスの感染拡大によって余儀なくされている、新しい生活様式。仕事や習慣に限らず、運動の方法も変わりつつあります。今回の無料メルマガ『MBAが教える企業分析』では著者でMBAホルダーの青山烈士さんが、牧場での感染症対策を元にした、感染不安を感じずに運動ができる新しいスポーツジムの戦略を紹介しています。

他社に無い独自ノウハウの活用

今号は、新発想の半屋外ワークアウトジムを分析します。

● 株式会社秋葉牧場がグループ企業の株式会社大地を通じて展開する半屋外ワークアウトジム「ファームステーションジム

安心して運動したい方や屋内のジムに抵抗のある方をターゲットに「牧場運営ノウハウ」に支えられた「安心して運動できる」等の強みで差別化しています。

新型コロナウイルスの流行によって、様々な業界において変化が求められる中で「新しい生活様式」に適応することで、集客を図っています。

■分析のポイント

コロナ禍で生活様式が大きく変わっています。もちろん、運動の仕方も変わってきていますね。

屋内のジムに抵抗がある人もいらっしゃるようで自宅でのトレーニングが流行っています。ですが、自宅でトレーニング機器やトレーニングのスペースを用意することが難しい方もいらっしゃいます。そのようなニーズに応えられ、ユーザーの一つの選択肢に入りそうなのが、今回、取り上げる「ファームステーションジム」です。

やはり、コロナ禍では、感染症の不安を感じさせずに安心して運動できるということがポイントになります。その点で見た時に、半屋外であることは魅力的ですね。既存の屋内のジムが、感染症対策を徹底してどんなに換気システムを完備しても屋外の安心感には敵わないと感じます。

では、既存のジムも屋外にすればいいかというとそう簡単ではありません。既存のジムは屋内での運営を前提にしていますので屋外での運営ノウハウを持っていないためです。「ファームステーションジム」の場合は牧場運営で培ったノウハウを活かすことができます。

牧場運営と屋外でのジムの運営がどう関係あるのかと思うかもしれませんね。実は、牛の感染症対策というのは、長年にわたり実施されていますので、現在の牛舎というのは、感染症予防に最適な構造になっているのです。ですので、感染症予防という観点で見たときにただ屋外にすればよいという話ではなく、半屋外でジムを運営するにしても、ノウハウが無いと難しいということなんです。このようなノウハウを持っていない企業は半屋外のジムを簡単には真似ができないということです。

また、「ファームステーションジム」は

・スタッフ無し
・ダンベル無し
・更衣室無し

といった形で人との接点、モノを介しての接点を減らしていますので感染症予防が徹底されている印象です。このあたりも、既存のジムの発想では難しいと思いますし、無駄がそぎ落とされている印象です。

コロナ禍で運動不足という声もよく聞きますので今後、「ファームステーションジム」がどのように拡大していくのか半屋外のジムが業界においてどのような存在になっていくのか注目していきたいです。

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