厚生労働省が新型コロナウイルスのワクチンについて、米製薬大手ファイザーと正式契約したことを発表したことについて、様々な反応が飛び交っている。
各社の報道によると、ファイザーとの間で年内に7,200万人分にあたるおよそ1億4,400万回分の供給を受ける契約を正式に結んだとのこと。対象年齢については、16歳以上とする方向で検討しており、今年前半までに接種対象となる全国民分を確保する方針だという。
いっぽうで、ワクチンの供給については、先のファイザーとの基本同意では「6月末まで」とされていたが、今回の正式締結では「年内」にという風に変更され、スケジュールが後退してしまったのではという批判意見も。今後の供給スケジュールについては、ワクチン担当となった河野太郎大臣が自身のTwitterにて「金曜日には多少なりともお話しできるように努力しています」と伝えている。
今日、ファイザー社とワクチンの供給について正式に契約になりました。今後、ワクチンの供給スケジュールが決まっていきます。今後のことについて、金曜日には多少なりともお話しできるように努力しています。
— 河野太郎 (@konotarogomame) January 20, 2021
ファイザー製ワクチンの是非を巡って意見は二分
海外ではすでに新型コロナワクチンの接種が始まっている国もあり、日本国内で今後接種されるファイザー製のほか、モデルナ社のワクチンを承認するところも存在する。
ファイザー製のワクチンを先行的に接種しているイスラエルでは、ワクチンを2回接種した人の98%でウイルスを退治できる高い水準の抗体が生成されたという研究結果が出るなど、ワクチンの効能が認められている模様。さらにファイザー製ワクチンが、英国で見つかった感染力の高い変異種にも予防効果を発揮するとの実験結果も一部で報じられており、早期の接種を望む声もあがる。
基礎疾患持ちの中高年としては、行政やメーカーの許す範囲で早く接種したいわ。ファイザーあたりの製品は他の医療用医薬品と比べても優秀に思えるし。
— Norio Maeda🌷 (@nmaeda2) January 21, 2021
良いね。早く打ちたい。
イスラエル「ファイザー接種者98%抗体生成」…実際の接種で効果を初確認(中央日報日本語版)#Yahooニュースhttps://t.co/Ji46Tc27jp
— S医師 (@orthope_surgeon) January 20, 2021
日本政府。ファイザー製薬と正式契約。
お金がある国の特権だね。
ファイザーのやつなら打ちたいな。ワクチン 米製薬大手ファイザーと契約を正式締結 政府 https://t.co/awpZcw9eNX
— いまい やすゆき (@hoffnungme) January 20, 2021
ただノルウェーでは、ファイザー製のワクチンを接種した高齢者約30人が死亡していたことが判明した。現地メディアによると死亡者の多くが75歳以上で、重篤な基礎疾患を抱えていたとしているようだが、この件以外にも副作用の報告が散見されるなど、ファイザー製ワクチンの品質を懸念する声も根強い。
そのため、ネット上ではファイザー製ワクチンに関しては「打ちたくない」といった立場も多く見られる状況。さらに、副作用等の懸念を十分に検討することなくファイザー製に決めた政府に対して「利権絡みでは?」といった疑念もあり、「だったら政治家が率先して打てよ」といった意見も。さらにファイザー製ワクチンを打ちたくない人からは、国産ワクチンの早期完成を求める声も多くあがる。
打ちたくない理由
政府が契約したファイザーの治験内容
現在最も接種が進んでいるイスラエルの状況
自分の年齢の世界的・日本での致死率等々を自分で調べてみよう
それで天秤にかけて打ちたい>打ちたくないになれば打てばいい#私がワクチン打ちたい理由 #私がワクチン打ちたくない理由
— 名前はまだない (@Tarenagashix) January 21, 2021
【悲報】世界で使われている国産の「アビガン」よりも、どうしても政府と厚労省はファイザーを選びたかった。国難にも関わらず、利権でしょうか厚生労働省。ひとことの説明もなく、フェイザー社とご契約。でも、ワクチンで総理の支持率は上がりません。 https://t.co/dnPI4kpuS2
— 釈秀光 (@hidekidas0725) January 20, 2021
ファイザーのワクチン
一番大事な与党の先生方から打っていただきましょう❗— 可愛くないおばさん (@1tRimGxgnlc9FTp) January 20, 2021
海外ではファイザー/ビオンテック社が開発したワクチン(BNT162b2)とモデルナ社のワクチン(mRNA-1273)が承認され接種が開始された国が増えてきています
然し治験が十分できていないのが不安です。
副反応が怖いですね・・・
私は、国産のワクチンを望みます。💉— ぺこちゃん (@emerald600700) January 20, 2021
SNS上では「#私がワクチン打ちたい理由」「#私がワクチン打ちたくない理由」というハッシュタグで、ファイザー製ワクチン接種の是非が語り合われている状況で、今後も議論は続いていきそうだ。
ファイザー決定で超低温冷凍庫の特需が
このように副作用の懸念がネット上で取沙汰されるファイザー製のワクチンだが、実際に接種することになった際の“保管の難しさ”にも、心配の声があがる。
なんで、保管の大変なファイザー社のワクチンに決定したんですか??
モデルナやアストラゼネカのワクチンの方が保管しやすくて便利かと思うのですが。
価格の問題ですか??
よろしければ教えてください!
— ハリー@ガテン系投資家🔰 (@harrylife_cholo) January 20, 2021
というのも、ファイザー製ワクチンは保管する際にマイナス75℃の状態にしなければならず、これはモデルナ社製のマイナス20℃と比較しても管理の難易度がかなり高いという。実際アメリカでは、ファイザー製ワクチンが過度に低い温度で保管されたことで、使用できなくなったというトラブルも発生しているようだ。
また超低温冷凍の状態から解凍したファイザー製ワクチンは、その後の使用期限が5日間しかないという。そのため必要数を綿密に計算したうえで解凍し、集中的に接種しないことには、ワクチンが無駄になってしまうことも考えられ、さらには使用期限切れのワクチンが摂取されてしまう恐れもあるとの懸念を持つ方も少なくない。
5日間でワクチンを使い切るという制約条件に合わせるしかないとなると、集中的に接種をするしかないです。
紙での手続きは厳しいですが、高齢者にスマホを配るわけにもいかないし、マイナンバーカードも間に合わないで… #NewsPicks https://t.co/mSdNLyeCPJ— 田端秀章📈公式アカウント (@hideaki825) January 17, 2021
保管は超低温で解凍後5日間…新型コロナワクチン接種実施へ 管理難しく自治体の準備は手探り状態(石川テレビ)#Yahooニュース >これだけ聞いても怖いよね。うっかりミスで期限切れを打ってしまったりしそう…….https://t.co/rSM3iBQiqp
— zumi (@stadtmauer) January 18, 2021
そんななか降って湧いたような特需に沸いているのが、マイナス75℃での保管に対応できるディープフリーザー(超低温冷凍庫)を製造するメーカー。厚生労働省は新型コロナワクチンの接種のため、全国約1万か所の医療機関を拠点にする予定で、そのそれぞれに設置するためのディープフリーザーが1万台が必要となるためだ。
そのためワクチン保管用の保冷庫の製造・販売を手掛けている小物家電製造のツインバードの株価は、21日時点で6日連続の続伸と大幅高に。さらにツインバードの超低温冷凍庫向けの温度ロガーの受注実績がある神栄も、21日は大幅反発となったようだ。
いっぽうで、家電メーカーの雄であるパナソニックも、21日にワクチンなど医薬品の輸送・保管ができる保冷容器を開発したと発表した。冷蔵庫の省エネ性能を高めるために使用する真空断熱技術を活用し、保冷剤を使ってマイナス70℃の環境を最長18日間保持することが可能で、ファイザー製ワクチンの保管にも対応としている。
このように、ようやく具体的な形になってきた感のある新型コロナワクチンの接種計画。時期はまだ流動的なものの、ゆくゆくは国民全員が打つもので、誰もが無関心ではいられない話題だけに、今後の動向が大いに気になるところである。
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