菅政権と大違い。圧倒的な人員と速さでコロナを封じた中国・上海

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中国の新型コロナ抑え込み対策は、人員の数もスピードも日本とは桁違いのようです。今回の無料メルマガ『出たっきり邦人【アジア編】』では上海在住歴20年を超える著者・CREAさんが、1月21日に3名の新型コロナ陽性者を確認した上海当局の動きの一部始終を紹介するとともに、日中間の差や日本社会の今後についての自身の考えを記しています。

上海で3名のコロナ陽性者で大騒ぎ

日本に一時帰国して早1年、まさか2021年までコロナの影響を引き摺っているとは思いませんでした。ですが思い返せば、人生要所要所でその「まさか」は訪れます。私が上海へ向かう前の年には関西で神戸大震災を経験しています。あの日は明け方、ベッドで寝ていて急に来たシャッフルするような縦揺れに、地震ではなく戦争か何かが始まって爆撃されたのかと思い、底知れぬ恐怖を感じました。その前夜は友人を車で送り阪神高速を夜中に走って帰宅したので、もし数時間地震が早まっていれば私は横倒れになった阪神高速の下敷きになっていたかもしれません。

そして25年後のコロナ禍。地震に比べれば水も電気もガスも通っているけれど、じわじわと長期にわたって攻撃してくる今回の災害もまた別の方法で私達の生活に大きな影響を与えています。

上海の学校のオンライン授業がお休みの旧正月の間に、やっとビザとフライトを整えて一時帰国をする予定でいた息子ですが、1月21日昨日このタイミングで、上海市内で3名のコロナ患者が出たと上海は大騒ぎです。

すると、21日その日のうちに感染者のマンション地域住民は全員ホテル隔離2週間に連行され、関係者のPCR検査も約1万5,000人分(その日のうちに1万件の陰性の結果)、人だけでなく感染者が触った場所とモノの検査も約600件(そのうち陽性反応がでたのが4件)その他陽性者の出たエリアは全身防護服の人が無数に立って全面封鎖、もちろん感染者の名前(姓のみ)・年齢・会社全部公表されて、圧倒的な人員とスピードで押さえ込みます。

中国は携帯に義務化されている自分の健康コードがあり、自分がいるエリアの危険度に応じて安全度が自動的に更新するのですが、ここで重要なのは感染者がでた一部市内エリアの本当に狭い範囲だけピンポイントで中危険度に自動的に変更されて、上海のその他地域は安全度変更なし。こうやってピンポイントで危険なところをだけを徹底的に抑えてその他の部分は平常運転をキープする、という手法が取られていることです。こうすることによって経済活動への影響も最小限に抑えることもできます。

そして、振り返って日本の今の現状は、、GoToは正しかったのか、、水際対策が悪い…、そもそも中国に配慮して武漢からの入国を止めなかったのが云々…、そして挙句の果ては神頼みのオリンピック…。結論の出ない誰も責任を取らない話が延々と。

危機に瀕した際にリスクマネージメントができず英断で動くリーダーがいないことの弊害は、まるでシン・ゴジラの映画のストーリーさながらです。

もちろん日本は優秀なトップがいなくても個々人の自覚で安定を取れる素晴らしいバランス感覚の社会です。その反面人と違う行動を極端に恐れ、大きな変化を必要とする時に誰も身動きが取れなくなる。かたや、中国は強大なトップがいなければ個々人に任せていたらそれはそれは大パニックです。そこも容易に想像できます。

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