自民党の石原伸晃衆院議員が新型コロナに感染し、入院をしたと先日報じられたが、その経緯に関して「優遇されているのではないか」と批判の声が多くあがる事態となっている。
石原伸晃氏の新型コロナ感染が発表されたのは22日のこと。各社の報道によると、21日の夕方に都内にある東京医科歯科大学病院でPCR検査を受けたところ、翌日の22日午後に陽性と判明。体調は良好で発熱などの症状はなかったものの、不整脈の持病があったことから医者より入院を促され、即日入院したという。
国会議員の新型コロナ感染の判明はこれで9人目。派閥領袖では初めてとなった。
3度のPCR検査&即日入院の優遇ぶり
今回の件に関し「優遇ではないか」だと批判されているのが、「無症状でもPCR検査を受けられた」点と「陽性反応で即日入院できた」という点だ。
まずPCR検査の件だが、石原伸晃氏はPCR検査を受ける21日正午に、自らが率いる派閥の総会に出席していることが報じられており、さらに陽性判明時も体調は良好で発熱などの症状ないということから、自覚症状ゼロの状況でPCR検査を受けていたことは確定的である。しかも、1月25日にテレビ朝日系『モーニングショー』に出演した、伸晃氏の弟である石原良純氏のコメントによると、伸晃氏がPCR検査を受けるのはこれが3回目だという。
#モーニングショー
石原良純が苦しい擁護をしていましたが、
その中で、伸晃は今回のPCR検査は3回目だと言っていました。
何故濃厚接触者でなく無症状で検査したのか不思議だったのですが
自民党内では頻繁に検査している事が判明しました。
国民には検査抑制しているのに。。。 https://t.co/BLq8K1Abhs— ダルタニャン (@Leonardo145215) January 25, 2021
自覚症状があったり濃厚接触者との判定を受けた方も、このところはPCR検査がなかなか受けられず、待ちの状態のまま自宅療養中に亡くなるといったニュースも連日報道されるなか、伸晃氏はこれまでに3度もPCR検査を受けているという事実。しかも、東京医科歯科大学病院という大病院で検査を受けていたということで、これは優遇的だと捉えられても仕方のないところであろう。
さらに伸晃氏は、22日午後に陽性と判明した後に即日入院したとのことだが、これも連日報道されているような「入院待ち」患者が増え続けている状況下ということもあって、疑問視をする声が多い。特に伸晃氏が入院したとされる東京医科歯科大学病院に関していえば、1月23日に報じられた別件の報道において同病院の副病院長が、重症患者が固定化して新たな患者の受け入れ要請を受けきれないと語っており、他の病院と同様に医療体制はかなり逼迫している模様。そんな最中にあっての「即日入院」だけに、さらに視線は厳しくなるところである。
ちなみに、国会議員がこのように優遇的な対応が受けられるのかというと、決してそうではないようだ。昨年末に新型コロナに感染した日本共産党の清水忠史衆院議員は、自覚症状がったため保健所に電話をしたところ、PCR検査は申し込みできるが検査実施は10日後、結果が出るまで2週間かかると言われたと、1月24日付のしんぶん赤旗で語っている。
日本共産党の清水忠史衆院議員が、昨年末コロナに感染し、発症からしばらくは検査受けれなかったと語っています。
保健所電話したら、PCR検査は申し込みできるけど検査実施は10日後、結果出るまで2週間かかると言われたとのこと。療養ホテルに入れたのは1週間後とのこと。大阪も深刻です。 pic.twitter.com/hbvz3X9DGP
— かばさわ洋平 (@ykabasawa) January 24, 2021
また立憲民主党の羽田雄一郎参院議員は、知人が新型コロナに感染したことを受けて、12月24日に自身もPCR検査を受けたいと参議院診療所に申し出たものの、無症状のため断られたという。羽田氏はその3日後の27日に、病院へと向かう車内で様態が急変し、そのまま亡くなっている。
弟・良純氏の「ラッキー」発言にも批判の声が
石原伸晃氏といえば当選10回のベテラン議員で、2001年に第1次小泉内閣下で規制改革担当相を皮切りに様々な大臣を歴任。過去には幹事長を務め、現在も自らの派閥を持つなど、自民党内でも一定の影響力を持つ人物である。さらに父は作家で東京都知事も務めた石原慎太郎氏で、弟には衆議院議員の石原宏高氏もいるなど、政治家一家としても知られる。
そんな石原伸晃氏のコロナ入院に関する数々の「優遇ぶり」に対して、ネット上ではその経緯の説明を求める声とともに、「やはり上級国民には特別待遇」「下級国民は、死ぬまで自宅待機」といった怨嗟の声が。さらには「これが日本でのトリアージか」といった皮肉交じりの怒りの声もあがる事態となっている。
上級国民、石原伸晃議員が即入院した件は、明日からの国会で厳しく追求して欲しい。
国が決めたルールでは必ず保健所を通して入院の可否を決めるはず。お金やコネで即入院できるなら真似する人がたくさん出てくる。今後ワクチンや治療薬も、お金やコネが幅を利かすと思う。大問題です。#上級国民
— Dr.ナイフ (@knife900) January 24, 2021
石原伸晃は上級国民
コロナ感染で即入院⚕️全く症状なく
病院逼迫で何処にも入れないが特別扱い庶民国民は、死ぬまで自宅待機
それが下級国民か— 如月一止 (@YKuro50) January 24, 2021
石原は持病があるのに会食をしその後感染発覚。
軽率な行動が病床を一つ潰し誰かの医療を受けられなくさせたと考えないのか。
東京医科歯科大学を優先で受診出来る事自体が、トリアージをさせている。
自覚もない自己中心的な人間に政治家は務まらない。#石原伸晃は必要な人に病床を空けろ https://t.co/ETSRlkDlWS— K (@nhydhappkk2020) January 24, 2021
◎石原伸びてる議員・・・感染確認後即入院即治療!(生活保護受給者攻撃の第一人者)
◎一般国民・・・感染確認後自宅療養を余儀なくされ、治療を受けることもできず無念の死!
※これが日本でのトリアージというものでしょうか?国民の尊い命より、税金泥棒の醜い議員の健康が優先?— 空 【菅義偉政権打倒!】 (@kskt21) January 22, 2021
いっぽうで、先述の通り25日のテレビ番組で伸晃氏をフォローした石原良純氏のほうも、「今の医療状況の中ではラッキーというか、手厚い看護を受けられた方だと思う」との発言が物議を醸しており、「能天気」「自宅療養している人に対して崖から突き落とすようなもの」といった批判意見が渦巻いている。
弟の良純曰わく、兄の伸晃は「ラッキー」だったそうだ。
自宅待機で何人も亡くなっているのに、どこまで脳天気なんだ?#自民党は全員落とす https://t.co/Ksf77gjLAM pic.twitter.com/rdKEgOLHVo— 湘南ポリス (@SirasuDon2020) January 25, 2021
良純さんのラッキー発言は今自宅療養している人に対して崖から突き落とすようなもの。
言葉を選ばないと。#モーニングショー— ムチャくれ (@tomochi7) January 24, 2021
伸晃氏本人だけでなく、その弟の良純氏にまで批判の声が飛び火している状況の今回の件。片や自民党の重鎮議員、片やテレビに出ずっぱりの人気者であるが、今回図らずも露呈した「選民的」とも捉えられかねない行動や発言に対し、批判の声は今後さらに大きくなっていきそうだ。
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