コロナが社会に及ぼす影響は世界大戦級。政治が取るべき3つの施策とは

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長い閉会期間を経てようやく始まった通常国会。議員による実のある議論はなされているのでしょうか。国民の窮状を理解した議論の必要性を指摘するのは、元衆議院議員で小沢一郎氏の秘書も長く務めていた石川知裕さんです。今回のメルマガ『石川ともひろの永田町早読み!』では、コロナ禍の惨状は世界大戦に匹敵するとの認識を示し、そのうえでいますべきこととして、ワクチン施策、事業者への協力金のあり方、苦しむ国民への給付金と3つの施策を提言しています。

世界大戦に匹敵するいまの惨事。政治がなすべき施策とは?

オリンピックの延期や甲子園の中止など、太平洋戦争以降起きていないことがこの1年で続いた。街が崩壊して死者が続出しているわけではないが、今回のコロナ禍で被った社会経済への被害は、世界大戦並みの惨事であることは間違いない。

政府が最も対応を間違えたのは、徹底的な感染抑え込みよりも経済優先に舵を切ってしまったことだろう。GO TOトラベルやGO TOイートは、観光業や飲食業に特需をもたらした。打撃を受けていた業界を上向きにさせた一方で、感染拡大を招いてしまった。経済のためには感染を抑えることこそが最優先だった訳である。結果的に、緊急事態宣言の再発出となり、業界は再び苦境に陥っている。

北海道で感染が拡大したときに「気温が下がれば感染は拡大する」と分かっていたのだから、もっと早く対策を打てただろうという国民の声は多い。コロナの抑え込みに成功したと言われている台湾はどうだろうか。

台湾も、日本のGO TOトラベルのような国内旅行の需要喚起の政策を行っているが、徹底的な感染対策を優先させたので日本のような事態には追い込まれていない。徹底的な検査体制を確立し市中感染を抑えることの方が、観光・飲食業界を早期に回復できたと言える。

通常国会が始まった。いま政治がなすべきことは何だろうか。まずはワクチンの効率的な接種体制を確立することだ。イスラエルではワクチンの接種によって感染率が下がっている。台湾ではマスクの効率的な配布によって国民の信頼を得て感染を抑えこむことができた。日本では官房副長官とワクチン担当大臣がワクチン確保の見通しを巡って争っているがそんな場合ではない。そして高齢者、特定疾患のある有名人の方に接種して安心感を与えることも忘れてはならない。

そして国民経済だ。観光・飲食業界の苦境はぎりぎりのところまで来ている。業界支援については一律は不公平だ。東京都は当初、大手チェーンへの支援を外していたが、方針転換をした。大手チェーンで働く雇用が失われたら、失業者が増えることを懸念したのだろう。一日数人のお客さんしか来ないスナックも銀座の高級店も一律6万円では不公平である。家賃や事業規模に応じた支援策を行うべきだ。

緊急事態宣言が発出されていない地域でも、飲食店や観光業は大きな影響を受けている。ススキノも閑古鳥が鳴いている。私の地元の帯広市も、夜は閉めている店が多い。スナックのママさんたちはクロネコヤマトのバイトをしながら糊口をしのいでいる。ここは10万円の再給付が必要だ。ただし、年収2千万円以上の確定申告を行っている人は確定申告時に戻させるようにするなど、本当に困っている人への支援に絞って考えるべきだ。

いまは戦時中だ。財政破綻を心配する前に、国民生活を破綻させないことを考えるべきだ。

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1973年北海道足寄町生まれ。函館ラサール高校、早稲田大商学部卒。96年2月から2005年7月まで小沢一郎秘書。同年衆院選で北海道11区から民主党公認で立候補して中川昭一氏らを相手に落選、07年3月に繰り上げ初当選。09年再選。10年1月、政治資金規正法違反容疑で逮捕、同年2月に起訴。12年12月、三選。同年5月、議員辞職。2017年10月、妻・香織が衆院議員に初当選。同月、公民権が回復。政界復帰に向け、コツコツと活動中!!! 著書『悪党』は5万部を超える大ヒット作に。そのほか、『雑巾がけ』など著書多数。

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