期間が延長されるか否かに注目が集まる緊急事態宣言ですが、コロナ禍はマンションの管理業界にも意外な影響を及ぼしているようです。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では著者でマンション管理士の廣田信子さんが、業界紙に掲載された二度目の緊急事態宣言下における管理会社各社の対応を紹介するとともに、深刻な管理員・清掃員不足が解消されつつある理由を記しています。
二度目の緊急事態宣言では、管理員、清掃員も通常勤務、その背景には…
こんにちは!廣田信子です。
前回の緊急事態宣言の時と比べると、人の活動は止まっていませんが、やはり、夜8時以降の飲食店の営業を止めたのは効果が大きかったようで、感染拡大傾向は一応止まっています。
飲食店の営業時間に合わせて、デパート、ショッピングモール等も営業時間を短縮しているところがほとんどで、映画館や劇場も8時までに終了するよう、予定を組み替えているところが多いです。で、私が楽しみにしていた「公演」も期間縮小の上、夜の部が中止となり、チケットを入手できませんでした。ほんとうに、夜の街は静かです。夜8時以降は外出しないように…ということは、8時には家に着いていないといけないと解釈し、7時以降の残業を禁止している企業もあります。
マンションでは、どうでしょうか。管理組合は、前回ほどぴりぴりしてはいないように思いますが、
- 緊急事態宣言の間は理事会を中止している
- 緊急事態宣言下であっても必要なことは予定通り実施する
- 常通り理事会は開催するが、説明会等は延期している
- オンライン開催が恒常化しているので影響がない
など、管理組合によって様々です。
では、管理会社の対応はどうでしょうか。今回の緊急事態宣言の発令に対しての管理会社各社の対応が、マンション管理新聞1月15日号に掲載されていました。ほぼ全社が、感染防止に配慮しつつも、清掃業務、ゴミ出し、管理員業務は通常通り実施するとしています。
理事会への出席は、管理組合の要請があれば出席するとしながらも、
- 午後8時で終了できるよう管理組合に依頼
- 午後8時を過ぎる場合はオンラインで参加
- オンライン、延期、休会等個別に対応
- オンライン開催を提案
- 換気、マスク着用、消毒液設置、検温等の対策の上開催
- できる限り夜7時までに社員が帰宅できるようお願い
等の対応がとられています。
清掃業務、ゴミ出し、管理員業務が通常通り行われるというのは、管理組合にとっては一安心だと思います。高齢の方が多い管理員、清掃員の方も、必要な感染防止対策がわかってきたことで、以前ほど心配でなくなった…ということがあると思いますが、ある管理会社の方は、コロナ禍で飲食関係の仕事を無くした人が、かなり管理員に応募してくるようになって、管理員、清掃員の深刻な不足が、解消されつつあることも大きいといいます。フロントスタッフの不足の方は、やはりコロナ禍で仕事を無くした他業種からの参入があって、昨年秋から、すでに解消されつつあると聞いていました。
コロナ禍がマンション管理の現場スタッフの人手不足の解消につながった…と聞いて、ちょっと複雑です。
image by: Shutterstock.com