米親子の移送差し止め申請退ける ゴーン被告逃亡協力―裁判所

2021.01.29
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by 時事通信


ゴーン被告と共にトルコ入りした後、イスタンブールの空港で監視カメラに撮影されたマイケル・テイラー容疑者(中央手前)=トルコ警察が2020年1月にデミルオレン通信(DHA)に提供(AFP時事)

ゴーン被告と共にトルコ入りした後、イスタンブールの空港で監視カメラに撮影されたマイケル・テイラー容疑者(中央手前)=トルコ警察が2020年1月にデミルオレン通信(DHA)に提供(AFP時事)

 【ニューヨーク時事】日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告が保釈中にレバノンに逃亡した事件で、逃亡を手助けしたとして米国で拘束中の容疑者の米国人親子について、東部ボストンの連邦裁判所は28日、親子の差し止め申請を退け、日本への身柄引き渡しを認めた。親子側は即日上訴した。
 親子は日本の勾留期間の長さを挙げ、拷問等禁止条約に違反するなどと訴えていた。判事は決定で「日本の刑務所の状況は嘆かわしいかもしれない」としつつ、親子の主張は「(米国務省が条約運用上考慮する)『激しい身体的あるいは精神的苦痛』には当たらない」と指摘した。
 親子は元米陸軍特殊部隊員マイケル・テイラー容疑者と息子のピーター容疑者で、東京地検の要請で米当局が昨年5月に身柄を拘束。地検は米国との犯罪人引き渡し条約に基づき2人の移送を求め、連邦裁判所が昨年9月に日本への引き渡しを認める決定を出した。
 これを受け、国務省も日本への引き渡しを承認したが、親子が移送を「恣意(しい)的で違法だ」とさらに訴え、差し止めを申請していた。(2021/01/29-12:11)

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