楽天モバイル「1GB未満0円」が日本にもたらすもの。スマホ群雄割拠の時代到来へ

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1月29日、楽天の三木谷浩史社長は楽天モバイルの記者会見で「1GB未満は0円」「20GBで1980円」という衝撃的なプランを発表し、話題となっています。ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんは、自身のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』で、ドコモやソフトバンク、KDDIが格安のプランを発表する中で、楽天モバイルの行く末についての懸念が払拭されたと安堵。今年のスマホ春商戦が盛り上がりを見せるのでは、と期待を寄せています。

楽天モバイルが「1GB未満0円プラン」で解約阻止狙う——-1年間無料キャンペーンは残り80万人

1月29日、楽天モバイルが新料金プランを発表した。1GB未満は0円、1~3GBは980円、3~20GBは1980円、20GB以上は2980円といった立て付けだ。

NTTドコモ「ahamo」、ソフトバンク「SoftBank on LINE」、KDDI「povo」が2980円という値付けをしたことで「楽天モバイルが潰される」と本気で心配したが、なんとか生き延びれるプランに仕上がっているようだ。特に1年間の無料キャンペーンが終わるユーザーが、この春から順次、3キャリアの2980円プランに乗り換える恐れがあった。今回、楽天モバイルが新しい料金プランを発表したことで「とりあえず、1GB未満0円で回線を寝かせておくか」というユーザーが続出することだろう。

 三木谷浩史会長兼CEOが「全国民に最適なプラン」と力説していたが、まさに幅広いユーザーにフィットするプランとなっているのは間違いない。

 ネットワーク品質はさておき、金額面では相当な競争力があると思う。しかし、唯一、残念なのが「4月1日スタート」という点だ。

 この業界の最大の商戦期は春、特に3月であり、だからこそ、3キャリアの2980円プランは3月に一斉にスタートすることになっている。4月からの就職や入学、進学を目前にスマホを新規契約したり、新しい機種を買うタイミングである。今年は2980円プランもあるため、そうした新生活を始める人だけでなく、幅広い人が料金プランを検討することだろう。

 3月にスマホの料金を見直す際、楽天モバイルの新料金プランだけが「4月1日スタート」となると、選択肢から外れることになりはしないか。せっかく、競争力があるのに、本当にもったいない。

 ただ、現在は1年間の無料キャンペーンが適用されるため、開始日が4月1日でもいいのかもしれない。

 ちなみに、1月28日に楽天市場の出店者向けオンラインイベントにおいて、三木谷会長は「1日に7000人のペースで楽天モバイルのユーザーが増えている」と語っていた。確かに昨年末で200万、1月29日現在で220万ということで、月に20万ペースということなのだろう。

 このままのペースであれば300万に達成するのは5月ということになるが、あと80万ということで、駆け込み需要が殺到するだろうし、新料金プランの開始によって、もっと早い段階で300万を達成することになるだろう。

 一方で、3月には3キャリアの2980円プランが盛り上がり、楽天モバイルへの流入が落ちる可能性も考えられ、加入ペースが鈍る恐れもゼロではない。

 果たして「3キャリアを解約して楽天モバイルを契約」が増えるのか、それとも「契約しているキャリアの中で2980円プランに切り替えて満足する人」が増えるのか。今年の春商戦は例年になく盛り上がりを見せそうだ。

image by:Ned Snowman / Shutterstock.com

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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