fbpx

深夜のキャバクラに機動隊突入のなぜ?建前は風営法違反も、実態は営業自粛無視への“報復捜査”か

緊急事態宣言による飲食店の時短営業要請が続く東京都内だが、そんな最中に早朝5時まで店を開けていた新宿・歌舞伎町にあるキャバクラ店の店長ら6人が、風俗営業法違反(立ち入り拒否)の疑いで現行犯逮捕。その物々しい捕物劇がネット上で話題となっている。

報道によると、逮捕された6人は2月1日午前1時半すぎ、店のドアを施錠して行政指導に訪れた警察官に対し、ドアに鍵をかけて入店を拒んだという。呼びかけを無視された警察側は斧でドアを破壊。店内には従業員7人、ホステス15人、13人の男性客がいたという。

店はこれまでも営業時間を守らなかったとして、昨年より新宿署から2度に渡る行政処分を受けていたが、これを無視して深夜営業を続けていた模様。ちなみに店の入り口には、東京都の「感染防止徹底宣言ステッカー」が貼ってあったと、記事では伝えている。

大挙する機動隊&報道陣に歌舞伎町は騒然

今回のキャバクラ店へのガサ入れだが、Twitter上にはその模様を伝える動画や画像が多くあがっている。店の外には機動隊らしき警官たちがズラッと並び、さらにはテレビ局のカメラクルーなどの報道陣も多く来ていたようで、現場の騒然ぶりが窺える。

警察の突入を受けた店だが、どうやら「95か月連続売り上げNo.1」の記録を持つ人気のキャバクラ嬢である桜井野の花さんが経営する店だった模様。今回の捜査時にも日曜夜中~月曜未明の時間帯にも拘らず、そこそこの数の客が入っていたことでも分かるように、歌舞伎町界隈でも繁盛店として知られていたようだ。しかし、それだけに同業者等からのやっかみの視線も多分にあったようで、警察への半ば嫌がらせの通報が今回の摘発に繋がったとの見方もある。

ネット上では今回の逮捕劇に関して、コロナ禍における営業自粛要請に絡めた意見も多く見られるが、厳密にはいわゆる風営法における営業時間の規制を破っての営業が認められていたために、再三の行政指導を受けていたようだ。風営法下では、原則として深夜(午前0時~午前6時)の営業は不可だが、歌舞伎町を含めた都内などの特例地域では午前1時まで営業できるとされている。

大袈裟すぎるガサ入れに「完全な見せしめ」との声

いっぽうで、今回の機動隊までもが出動した仰々しすぎる逮捕劇に対しては、様々な反応が飛び交っており、なかでも「ドアを斧で破壊」したことに関しては、映画『シャイニング』のワンシーンを思い浮かべる人も多かったようだ。

ただ、暴力団の組事務所などを捜査する際に、チェーンソーなどを持った捜査員がドアを壊して怒号とともに突入するといったシーンが、よくニュース番組などで流れたりするが、今回は一般客が出入りする飲食店にも関わらず、それにも似た大袈裟すぎるまでの物々しさ。さらに言えば、この手の夜の店が未明まで営業していることなど、歌舞伎町に限らずどこの地域でも見られることである。

そのためもあってか、今回の件に関しては「完全な見せしめ」との見方がネットでは大勢を占めている状況。知名度の高い人気店が狙われた点、さらに報道陣が大挙して集まっていたことからしても、それは間違いなさそうである。

最近では、公明党・遠山清彦衆院議員の資金管理団体がキャバクラでの飲食代を支出したことが判明し、最終的に遠山氏自身が議員辞職に追い込まれたり、また石垣市長が宮古島のキャバクラで会食していたことが批判の的となったりと、何かと悪いイメージが付きまとうキャバクラ。とはいえ、昨今のコロナ禍による不況の影響も含め、困窮する女性たちの最後のライフラインを、この手の夜の店が担っているのも事実だ。夜の店への更なる厳しい視線に繋がりそうな今回の「大袈裟すぎる」ガサ入れが、そういった方々に悪い影響を及ぼさないことを祈るばかりである。

Next: いまキャバクラのドアを一番叩き割りたい人は…

1 2
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー